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自動車各社、エンジン全開猛レースの行方(下)
追い風を勝利につなげる「体力づくり」の成果と課題

ダイヤモンド・オンライン編集部
2013年7月25日
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完全復活した自動車業界の象徴
ついに稼働したホンダの寄居工場

 「日本の自動車メーカーが国内でつくる、最後の乗用車工場になるだろう」

 稼働前からこのようなふれこみで注目を浴びて来たのが、本田技研工業(ホンダ)の国内新工場、「寄居工場」(埼玉県寄居町)である。

 同工場が稼働したのは7月9日のこと。海外展開を加速する同社にとって、実に四半世紀年ぶりの国内新工場となる。年間生産能力は約25万台。「フィット」「フリード」などの小型車に特化して生産し、新興市場向けにも拡販していく予定だ。円高や国内市場の縮小で企業の海外生産シフトが進んで来たなか、同社の新工場が建設される経済効果は地域にとって小さくない。

 リーマンショック、東日本大震災、タイの大洪水など、ここ数年間に起きた未曾有の危機に耐え続け、前期(2013年3月期)に完全復活を遂げた感のある自動車各社。リーマンショック後の不況で一時計画が凍結され、ようやく稼働実現となったホンダの寄居工場は、まさに業界の復活ぶりを象徴するかのようなニュースと言える。後述するが、この工場には、新たな局面を迎えた各社にとって、今後の事業戦略を考える上でのヒントがある。

前回のレポートでは、躍進を続ける自動車各社の原動力についてリサーチした。アベノミクスによる昨年末からの円安が追い風になったことは、言うまでもない。ただし、各社の躍進は必ずしも円安のお蔭ばかりではなかった。

 苦境の中、各社は固定費削減や事業の合理化を徹底的に行い、リスクに立ち向かえる筋肉質の経営を身に付けてきた。「実は基礎体力づくりの効果のほうが、円安効果よりもよほど大きい」と指摘する専門家は少なくない。

 そんな各社は今期も強気の見通しを示している。円安、天災がもたらした供給制約の解消、「ドル箱」となる北米市場の回復など、現状の追い風を見る限り、その見方に狂いはないと見られる。

 とはいえ、自動車業界を取り巻く環境は、日に日に厳しさを増している。また前回述べた通り、これまで各社が続けてきた「体力づくり」のプロセスはまちまちであり、その効果いかんによって今後の事業戦略に差が出ることも考えられる。果たして、「エンジン全開猛レース」の行方はどうなるだろうか。

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