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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の47「論語」を読む。
今、必要とされる「聞く力」とは?

江上 剛 [作家]
【第47回】 2013年8月6日
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 先日、ビジネス書を作っている編集者と飲んだ。

 「最近、コミュニケーション本が流行っているんですよね」

 酒臭い息を吐きながら話しかけて来る。

劉備は耳が大きかった

 「ああ、そうなの。例えば『聞く力』なんかもそうだね。ベストセラーだから悔しくて読んでいないけど」

 編集者は、売れない作家はベストセラーを読まないからますます売れないんだと言いたげな顔で私を見つめた。

 「そればかりじゃないんです。○○や△△など、続々ヒットしているんです。どうですかね」

 「僕に、コミュニケーション本を書けというの? 僕は、『話を聞かない男、地図を読めない男』だよ」

 ベストセラー本『話を聞かない男、地図を読めない女』のタイトルのパクリで答えた。

 「確かにそうですね。いつもぐだぐだと飲んでおられるだけですものね」

 彼の、私に本を書けという気持ちは、萎えてしまったようだ。

 「良いことを教えてあげようか。『聞く力』は読んでいないけど、リーダーに取って『聞く力』は最も大事だよ」

 「例えば、三国志の主人公である劉備は、耳が大きくて、自分の目で耳を見ることができたらしいよ。これなんかも人の意見を良く聞くっていうことの象徴じゃないかな。だから諸葛孔明なんて優れた人材を登用できたんだろうね」

 「そういう話、もっと聞かせてください」

 彼が、身を乗りだしてきた。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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