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世界初をつくり続ける東大教授の「自分の壁」を越える授業
【第5回】 2013年8月8日
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生田幸士 [東京大学 先端科学技術研究センター、情報理工学研究科システム情報学専攻教授]

東大先端研の合言葉は「もっと怒られなさい」!?
関西人の「オチ」に見る、思考パターンの変え方

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世界初をつくり出し続ける生田教授を最初に待ち受けていたのは、ひどい「反対・嘲笑の嵐」。そんなときに先生を救ったのは「イトカワ」こと、糸川英夫先生のとある言葉でした。独創力を身につけるための土台のステップをご紹介する、連載第5回。

「怒られる」はこう使え!

 現在わたしは、東京大学の先端科学技術研究センター、通称「先端研」という施設で研究活動をおこなっています。これは率直に書いておきますが、九州工業大学や名古屋大学に在籍していた当時、わたしの中での東大のイメージといえば、とにかく「権威的で頭の固い大学」でした。

 しかし、この先端研に限ってはまったく違います。毎年秋になると先端研のOB会が開かれるのですが、歴代所長が口々におっしゃるのが「もっと怒られなさい!」という言葉です。「ちゃんと怒られるような研究してるのか?」「最近おとなしくなってないか?」「もっと暴れないと、普通の研究所になったらお終いだぞ」と。

 怒られるとは、どういうことか。
 東大における先端研は、ある種の「実験場」です。研究テーマにせよ、研究アプローチにせよ、あるいは社会に対するアピールにせよ、すべてが実験の場になっています。だから先端研の研究者たちは、「それはやりすぎだ!」と怒られることには慣れっこなんですね。

 やるべきことをやらないで怒られるのは、絶対にダメです。でも、なにか新しいチャレンジに挑んだ結果として怒られるのは、まったく問題ありません。

 なぜなら、「それはやりすぎだ!」の叱責は、「そのやり方、いまの制度じゃ無理だよ。制度を変えなきゃ通らないよ」というサインなんですね。怒られることによって、制度上の限界が見えてくる。いまのシステムをどこが古くなっていて、どこを変革していけばいいのかがわかってくる。

 きっとみなさんの仕事でも、新しい試みに踏み出したとき、上司や社外の方々から怒られることがあるでしょう。でも、怒られることを怖がっていては、いつまでも前例主義の慣習から抜け出せないままになります。

 前例を無視して、どんどん新しいことにチャレンジして、怒られる場面ではしっかりと怒られましょう。そしていまの制度にどんな問題があるのか見極めるのです。部署の改革、社内改革、さらに業界改革とは、こうした制度上の限界が見えた人にこそ、着手できます。

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生田幸士 [東京大学 先端科学技術研究センター、情報理工学研究科システム情報学専攻教授]

 

1953年大阪生まれ。大阪府立住吉高等学校卒。大阪大学にて金属材料工学科と生物工学科を卒業後、修士課程を経て、東京工業大学大学院制御工学専攻博士課程修了。工学博士、カリフォルニア大学研究員、東京大学専任講師、九州工業大学助教授、名古屋大学教授を経て2010年4月より東京大学教授。 医用マイクロマシン、医用ロボットの世界的先駆者。2010年紫綬褒章受章。文部科学大臣賞(研究功績者)、米国ラボラトリオートメーション学会功績賞、市村学術賞、グッドデザイン賞、ロボット学会論文賞など、受賞30件以上。IEEE主催マイクロマシン国際会議(MEMS’94)大会長。 新原理・新概念にこだわり、世界初の研究を次々につくり出している。また、助教授時代から『バカゼミ』『卵落とし大会』『カレーの日』など様々なイベントを開催し、凝り固まった日本の若者の頭をとことん柔らかくし、独創性を伸ばす創造性教育にも尽力。高校などへの出前授業も多数。NHK『爆笑問題のニッポンの教養』『ようこそ先輩』『ETV特集』、TBS『夢の扉』などテレビ出演も多々あり。趣味はウォルト・ディズニーの研究。

 


世界初をつくり続ける東大教授の「自分の壁」を越える授業

なぜ、多くの人は「そこそこ」で終わってしまい、「その他大勢」に埋もれてしまうのでしょうか? 実は、今いるところから突き抜け、自分だけの結果を出すには<考え方のコツ>があったのです。では、人とは違う結果を出してきた人は何をしてきたのでしょうか? その答えとなる思考の技術を、「世界初」の研究をつくり出し続け、東大生をバカにする授業=「バカゼミ」を手がける東大名物教授の著者が初めて語る!

「世界初をつくり続ける東大教授の「自分の壁」を越える授業」

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