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三谷流構造的やわらか発想法

あと知恵バイアスの恐怖!
~プチネット断食のススメ[2]

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第66講】 2013年8月8日
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「最近の若い奴らは礼儀を知らん!」のか?

先回、プチネット断食のススメとともに、ヒューリスティック・バイアスについて簡単に紹介しました。今回は、少し戻って、ヒューリスティック・バイアスのことを掘り下げたいと思います。私たちは、そのバイアスの檻から逃れることはできるのでしょうか?

 ヒトの判断力を歪(ゆが)める強いバイアスに「確証バイアス」と「あと知恵バイアス」があります。前者は「自説に都合のいい情報ばかり集める」傾向であり、後者は「なんでも事後には当たり前と思う」傾向のことを言います。

 たとえばあるとき「最近の若い奴らは礼儀を知らん!」という考えを持ったとしましょう。たまたま目の前の若者が、老人に席を譲らなかったからです。でもまだ事例は1個。確率的には無意味な考えです。

 でも、いったんそう思ったら、確証バイアス (Confirmation bias)が、全力で働き始めます。同様の事例「だけ」を収集し始めるのです。あいつもそうだ、こいつもそうだ。こんなことも、あんなこともあった……。礼儀を知らない若者は、確かに多いでしょう。でもきっと、他の世代でもたいして変わらないかもしれません。もしくは「最近の」ではなくて、「昔から」、若者はそうだったのかもしれません。

 2400年前、ソクラテスも叫んでいます。「最近の若いギリシャ人は礼儀を知らん! 年長者を敬わないし、席を譲ろうとしないし、云々かんぬん」(第17講を参照してください)。

 本当に、そうなのでしょうか?

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

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