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トップ営業マンの説得術

説得と交渉は別物。できる営業マンは「説得上手」だ

榊 博文 [慶応義塾大学文学部教授/社会学博士]
【第1回】 2008年4月16日
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 営業において、説得力・交渉力は必要不可欠なものです。

 説得は、ビジネスにおける重要なコミュニケーション・スキルですが、これまで説得や交渉について体系的に学習できる場はほとんどありませんでした。多くは、先輩たちの姿を真似したり、OJTで試行錯誤をくり返したりしながら学んできたのではないでしょうか。

 また、説得や交渉術に関するハウツー書を読んでいる人も少なくないでしょう。いずれにしても、自己流のあり方で、身体で学ぶというのが、これまでの主な方法だったと思います。

 もちろん、身体で学ぶということも不可欠ですが、説得を「科学」しておけば、より効果的に説得力が身につきます。「いかに自らを分析し、相手を理解するか」――。説得のメカニズムを社会心理学の視点から科学的に解明していくことが、この連載の大きなねらいです。

「説得」と「交渉」の違い

 説得とは、強制しないで相手をこちらの要求どおりにさせることです。

 「この商品を120万円で買ってください」と言うのは説得ですが、相手が「もう少し値引きしてほしい」と言ってきて、お互いに折り合う価格を探し始めたら、それは「交渉」になります。「交渉とは、問題当事者がお互いの目的を実現させようとする意図のもとに、妥協点を見出すための説得の応酬過程」のことです。したがって、交渉においても説得テクニックは当然、使われています。

できる営業マンは
説得上手

 できる営業マンを身近に見ていて、あんなふうにできればいいな、と思っている人も大勢いるでしょう。説得上手といわれている人をじっくり観察してみると、ほとんどの場合、当の本人は自分が説得上手であるとは思わずに、無意識で振る舞っているはずです。

 たとえば、何人かでレストランに出かけ、だれかがビールを注文するとほかのみんなもビールを注文することがよくあります。これは「同調行動」と呼ばれるもので、説得によらない影響力の1つです。この特性を利用した説得・影響力の手法がいくつか存在します。

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榊 博文 [慶応義塾大学文学部教授/社会学博士]

慶応高校から慶応義塾大学経済学部を経て、慶応義塾大学院社会学研究科博士課程修了。米国スタンフォード大学留学。専門は社会心理学。主として効果的な説得戦略、およびイノベーションの効果的な普及戦略に関する研究に従事。主な著書に『説得と影響―交渉のための社会心理学』『日本列島カルト汚染―説得と勧誘の社会心理学』(いずれもブレーン出版)などがある。


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