世界最大級の保険・資産運用グループであるAXAの日本拠点、アクサ ジャパン ホールディング。東日本大震災の直前に社長に就任したジャン=ルイ氏に、現状および今後の方針を聞いた。
ベルギーのルヴァン・カソリック大学にて経営管理学を修め、保険数理学修士号取得。祖父が立ち上げた保険会社に入社後、傘下の銀行をインターネット銀行に 形態を変えて拡大し、仏クレディアグリコルに売却。その後、保険業界に戻りウィンタートゥルヨーロッパアシュランシズに入社。2006年AXAがウィン タートゥルを統合し、AXAベルギーのエグゼクティブコミッティメンバーとなる。08年にはAXAガルフ・中東のCEOに就任し、11年2月にはアクサ ジャパン ホールディングおよびアクサ生命保険の社長兼CEOに就任。同時にAXAグループのエグゼクティブコミッティメンバーにも就任。
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――日本は成熟市場といわれていますが、アクサの日本における成長戦略はどのようなものですか。
アクサグループにとって日本は重要な市場であり、中核市場の一つとなっています。また、日本は世界の成熟市場の中でもポテンシャル(潜在力)の高い市場であると見ています。日本に進出しているフランス企業としてアクサ生命は最大であり、他にもアクサダイレクト生命、アクサ損害保険、資産運用会社のアライアンス・バーンスタイン、アクサ・インベストメント・マネージャーズ、アクサ・アシスタンス・ジャパンを展開するなど、これほど包括的にビジネス展開している外資系の保険グループは少ないのではないでしょうか。
――日本事業のグループへの貢献度はどれくらいでしょうか。
グループ全体の売り上げでみると、日本は8%を占めています。日本に根ざした保険会社として法人格をもっており、日本におけるアクサグループの社員数は8800人いますし、そのうちの99%以上が日本人社員です。また資産の半分以上を日本国債に投資しています。
そしてアクサ損保は、アクサグループのダイレクトビジネスの保険料収入において最大規模ですし、日本国内のダイレクトの自動車保険ビジネスでの業界順位は第2位となっています。
――M&Aに対する考え方はいかがでしょうか。
アクサの財務基盤は強固ですので、他の外資系保険会社のように市場から撤退したり、成熟を理由に海外市場に目を向けたりといった動きとは反対に、日本市場のポテンシャルに価値を見出だしています。そのため、継続的に投資を行っていく考えです。もちろん、M&Aに関しても常に機会には耳を傾けていますが、今のところ積極的に考えてはいません。