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海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線

チャンス溢れるが甘くないミャンマー市場
新たに浮上する6つのリスクを徹底解説!

杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]
【第2回】 2013年8月22日
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前回の記事で取り上げたように、日本企業の進出先として、ミャンマーを取り巻く環境は、昨年より確実に改善してきている。それでは、ミャンマーは今まで以上に日本企業の進出においてバラ色な状況なのだろうか。

残念ながら現実は決してそんなに甘くはない。むしろ、依然として進出の現場では、厳しい実態が待っている。そもそも、信頼できる情報が少なく、加えて法制度や行政システムの整備が追いついていない中で、日本企業は進出の検討段階からミャンマーならではの難しさの洗礼を受ける。それに加えて、ミャンマーが世界から注目を浴びるにつれて、新たなリスクも顕著になってきている。今回は、ミャンマー進出において留意すべきこの新たなリスクについて解説したい。

無視できなくなる労務コストの上昇

 今回取り上げたいミャンマー進出の新たなリスクは、下記の6点だ。

(1) 労務コスト上昇のリスク
(2) 不動産価格上昇リスク
(3) 近隣諸国の経済サイクルの影響リスク
(4) “NATO”と見られるリスク
(5) 「昔ながらのやり方」が通じないリスク
(6) 怪しげなコンサルタントリスク

 まず(1)の労務コストの上昇のリスクについて解説する。

 ミャンマーの魅力は、近隣諸国と比較しての人件費の安さだ。特に、近隣の東南アジア諸国と比較しての人件費の安さが、ミャンマーに多くの外国企業が引き寄せられる大きな理由の一つだ。ただ、他の東南アジア諸国と同様に、ミャンマーにおいても給与水準は急激に上昇しており、雇用する側にとって頭の痛い問題になっている。

 ミャンマーでは、昨年の4月に国家公務員の給与が一律で、月額3万チャット(約35ドル)引き上げられた。これは、原則すべての国家公務員に定額で適用され、従って低所得の下位の公務員ほど昇給率が高かった。また、3万チャットは、比較的賃金の低い工場での若手工員の約1ヵ月分程度、また一般の工員であれば1ヵ月の賃金の50%程度の金額だ。この給与引き上げは、国家公務員のみならず、ミャンマーの賃金水準全般に大きな影響を与えることになった。

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杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]

すぎた こういち/カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学及び生物学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程卒。15年間にわたり複数の外資系投資銀行にて、海外進出戦略立案サポートや、M&Aアドバイザリーをはじめとするコーポレートファイナンス業務に携わる。2000年から2009年まで、UBS証券会社投資銀行本部M&Aアドバイザリーチームに在籍し、数多くのM&A案件においてアドバイザーを務める。また、2009年から2012年まで、米系投資銀行のフーリハン・ローキーにて、在日副代表を務める傍ら東南アジアにおけるM&Aアドバイザリー業務に従事。2012年に、東南アジアでのM&Aアドバイザリー及び業界調査を主要業務とする株式会社アジア戦略アドバイザリーを創業。よりリスク度の高い東南アジア案件において、質の高いアドバイザリーサービスの提供を目指してASEAN各国での案件を遂行中。特に、現地の主要財閥との直接の関係を生かし、日系企業と現地企業間の資本・業務提携をサポートしている。ミャンマーにおいては、大手事業会社、総合商社、金融機関等の進出戦略立案及びその実行サポートに携わる一方で、2012年よりダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)にて、3年間にわたり人気コラム『ミャンマー その投資ブームは本物か』『海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線』を連載。


海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線

民主化へ舵を切り、欧米の経済制裁が解除されたことで、世界中の企業の耳目が集まるミャンマー市場。具体的な民主化政策の実行からわずか1年で、会社法や外国投資法など進出する企業にとって重要な法律が施行され、市場として環境が整い始めた。本連載では、企業進出の現場から何が具体的な問題点なのか、またそれを乗り越えるようどのような努力が現在なされているのかについて見ていきたい。「ミャンマー その投資ブームは本物か」に続く、連載第2弾。綿密な現地取材をもとに、ミャンマービジネスの最前線を追う。

「海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線」

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