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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

ついに地元に根付いた
東京下町の熱い「すみジャズ」

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第169回】 2013年8月23日
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 今年の夏は暑い。暑い残暑がまだ続いている。暦が立秋をすでに過ぎたといった実感はまったく湧いてこない。暑いなかで行われた熱いイベントがあった。東京スカイツリーの街で、音楽都市すみだの街おこしイベントとして始めた「すみだストリートジャズフェスティバル」(以下「すみジャズ」)である。8月の17日、18日に開催されたすみジャズは、今年ですでに4回目を迎え、広く喝采も浴びた。

継続は力なり

 振り返ってみて「継続は力なり」という言葉の通りだとつくづくと感じた。

 第1回のときは、「住民や地元勤労者から発案されたこのイベントを応援すべきかどうか最初、墨田区が躊躇していた」。

 初年度は計24会場で開催され、約2万人の来場者を集めた。翌年の動員数は4万2000人。3年目の昨年は、35会場の8万8000人。目標の10万人には相当肉薄し、すみだの夏を代表するイベントの一つとなった。しかし、地元の一部の人からは、地元に根付いていないという批判もでた。確かにボランティアの構成内容を見ると、地元の参加者がわずか2割に過ぎなかった。協賛した町内会もわが家が入っている大型マンションの1ヵ所だけだった。

 いくら墨田区民の気質が保守的だといっても、それでは冷たすぎると誤解される恐れがある。見かねた私はついにちょっかいを出し、今年の2月にこのコラムで「スカイツリーの街・東京墨田区の活性化に新住民として思うこと」と題する文章を発表し、こうした問題を指摘した。

目を見張るほど変貌

 しかし、4回目を迎えた今年のすみジャズは目を見張るほど変貌した。まず出演を申し込んだバンドが約400へと大幅に増えた。実際にステージに立つことができたのはプロの40グループを除いて、280しかなかった。かなりの数のバンドグループが落ちるという嬉しい悲鳴になった。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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