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野口悠紀雄「日銀が引き金を引く日本崩壊」

消費者物価の下落が
実質GDP成長を支えてきた

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第18回】 2013年8月29日
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前回述べたように、最近の実質GDP(国内総生産)の成長を支えているのは、実質家計消費の成長だ。これは、最近だけの現象ではなく、しばらく前から顕著になっている現象である。

 したがって、今後の日本経済成長を考えるにあたって重要なのは、なぜ実質家計消費が成長しているのか、その原因を正しく知ることだ。そして、実質GDPの継続的な成長を望むのであれば、実質家計消費の増加が将来も継続するような環境を整えることである。

実質家計消費の伸びが実質GDP成長を支えている

 図表1に示すように、実質家計最終消費支出は、順調に伸びている。

 2001年からの推移を他の需要項目と比べると、以下に述べるように、実質家計消費の増加が印象的だ(以下の数字は、実質季節調整系列、年率)。

 実質GDPは、リーマンショック直後に大きく落ち込んだ。いまに至るまで、リーマン前のピーク(2008年1-3月期の529兆円)を取り戻せない。具体的には、ピークより0.7%ほど低い水準にある。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄「日銀が引き金を引く日本崩壊」

日本銀行が新しい金融政策を決定した。今後2年間でマネタリーベースを2倍に増加させ、消費者物価指数上昇率を2%にするとしている。これを受けて、「円安が進行して輸出が増大する。輸出関連企業の利益が増大し、株価が上がる。日本経済は長く続いた停滞から脱却しようとしている」と考えている人が多い。果たして、この期待は、実現されるだろうか?

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