起業家の先輩たち

 起業がブームになったのは、これまで何度かありました。ソニーやホンダが生まれた戦後すぐももちろんそうでしょう。

 そのうち特にITベンチャーに限ると、次のような世代の分け方をされることもあります。僕もふだん、こうした世代の区別をそんなに意識しているわけではありませんが、起業に関する知識を整理するために、ざっと紹介してみましょう。あくまで代表的な人を挙げたまでですので、人選に特に意図はないことをお断りしておきます(表記は五十音順です)。

【第1世代】
孫正義さん(ソフトバンク)、西和彦さん(アスキー)

 1970年代の後半から活躍し、コンピュータやパソコンの発達にあわせて世の中を変えていった、まさに最初のIT起業家ですね。西さんはアスキーを設立されただけでなく、Microsoft本社の副社長としてビル・ゲイツと真っ向からやりあった方です。

【第2世代】
熊谷正寿さん(GMOインターネット)、南場智子さん(DeNA)、堀江貴文さん(ライブドア)、藤田晋さん(サイバーエージェント)、三木谷浩史さん(楽天)

 この方たちの説明も多くはいらないでしょう。2000年頃のITブームの立役者になった起業家たちです。

【第3世代】
柳澤大輔さん、貝畑政徳さん(面白法人KAYAC)、近藤淳也さん(はてな)、笠原健治さん(mixi)、田中良和さん(GREE)、猪子寿之さん(チームラボ)、家入一真さん(paperboy&co.)、内藤裕紀さん(ドリコム)、山田進太郎さん(ウノウ→Zynga Japan→コウゾウ)

 学生時代からインターネットを駆使し、起業した世代です。1976年前後に生まれた方が多いため、いわゆる「ナナロク世代」とも呼ばれます。

 そして、いまの起業ブームを担っているのが【第4世代】というわけです。

小林清剛さん(ノボット)片桐孝憲さん(ピクシブ)古川健介さん(ナナピ)松本龍祐さん(コミュニティファクトリー)など、1981年前後に生まれた「ハチイチ世代」と呼ばれているグループがいます。ちなみにピクシブの片桐さんとは、僕が出資をさせていただいたわけではないのですが、いまでは世界レベルのサービスになったイラスト投稿サイト「pixiv」の広告販売の戦略部分で当初協力をさせていただいた仲です。

 また、1986年生まれの村上太一さん(リブセンス)をはじめとする、もっと若い20代の起業家もたくさんいます。僕らはそうした人たちと一緒に仕事をしているというわけです。

【著者紹介】
榊原健太郎(さかきばら・けんたろう)
1974年生まれ。名古屋市出身。株式会社アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)創業期において営業統括として、営業本部の立上げ、営業販促戦略、広告商品開発、アライアンス戦略に取り組む。その後、インピリック電通(現電通ワンダーマン)にて、大手情報通信・飲料メーカー・金融会社のダイレクトマーケティング戦略に従事。その後、株式会社アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)に復帰、営業統括として、西日本広告販売ブランチの立上げ、営業本部の再構築、モバイルサイトの立上げに従事。2008年にシード・アーリーベンチャーの経営・マーケティング・営業・人事・財務・CI戦略支援に特化した株式会社サムライインキュベートを設立し代表を務める。スタートアップのベンチャーに投資するとともに、60社程のベンチャーの社外取締役を兼務している。

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