本連載の第99回コラム(NTT編)において、「NTTドコモは別の機会に紹介したい」と述べた。その「別の機会」が今回である。

 NTTドコモ(以下、ドコモと略す)の決算短信や有価証券報告書は、経営分析のノウハウを学ぶにあたって、有用な情報が多い。「へぇ、そういう方法があるのか」と感心する。もし、読者各位で経営分析の勉強会を開く機会があるならば、ドコモは必ず加えるべき教材である。

 例えばドコモの決算短信では、次の3種類の「財務指標」が四半期ごとに開示されている。

ドコモが扱う「iPhone」の吉凶を、EBITDAで占う

 〔図表 1〕に示した財務指標に係る計算構造については、ドコモの決算短信などで詳細に説明されている。特にドコモのEBITDAは、教科書的な説明とは若干異なる計算構造になっているので注意してほしい。

 〔図表 1〕にある指標を突破口にして経営分析などを学ぶと、奥行きが広まるであろう。今回は〔図表 1〕のうち、EBITDAに注目する。

 本連載の第12回コラム(ソフトバンク編)において、筆者は、「EBITDAはメタボリック指数だ」と述べた。今回は視点を変えて、EBITDAに潜む問題点を掘り下げてみたい。