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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

すでに起こった未来は体系的に見つけられる

上田惇生
【第76回】 2008年7月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
創造する経営者
ダイヤモンド社刊
1800円(税別)

 「社会的、経済的、文化的な出来事と、そのもたらす変化との間にはタイムラグがある」(『創造する経営者』)

 あらゆる変化が、他の領域に変化をもたらす。そして機会をもたらす。

 人口、社会、政治、経済、産業、経営、文化、知識、意識が変化する。その変化が次の変化をもたらす。ただちにではない。そこには、タイムラグがある。そこでドラッカーは、それらの変化を“すでに起こった未来”と呼ぶ。

 すでに起こった未来に資源を投じることにも、不確実性とリスクが伴う。だがそのリスクは限られている。

 特に人口構造の変化は、労働力、市場、社会的圧力、経済的機会に基本的な変化をもたらす。人口の変化は逆転しにくい。その変化は早く影響を現す。小学校の施設に対する圧力となって現れるのは、わずか5~6年後である。

 20年後、25年後には労働力人口に重大な影響をもたらす。市場を変え、経済と社会を変える。変化はすでに起こってしまった。

 意識の変化も、経済や社会を変える。健康への関心が高まれば、やがてサプリメント会社の起業家が長者番付を飾るのは当然である。

 組織の内部にもすでに起こった未来を見つけることができる。新しい活動が組織内に変化を引き起こし、すでに受け入れられているものと対立する。知らずして急所に触る。

 「すでに起こった未来は、体系的に見つけることができる」(『創造する経営者』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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