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山崎元のマネー経済の歩き方

「気軽なFX」に対する警告

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第56回】 2008年11月11日
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 株式市場の次に通貨市場が大変動に晒される可能性が十分にある。こうしたなか、どうにも気になるのが素人向け(今回はあえて「素人」という言葉を使う)のFX(外国為替証拠金取引)の勧誘だ。

 今、手元に一冊の本がある。FXを気軽に長く楽しんで儲けましょうという趣旨の入門書だと思ってほしい。この著者だけが無理解なわけではないし、この人に個人的に恨みはないので書名を伏せるが、この内容がひどい。こうした入門書で、FXの世界に素人が入るのは危険だから警告したい。

 FXの危険な勧誘には、独特のパターンがある。為替レートの変動ではなく、スワップで儲けるなら安定していて、安心だという印象を与えようとすることだ。

 手元の本も「鍵を握っているのはズバリ、スワップ」とか「為替差益よりも金利に重きを置く」といった項目を立てて、スワップの受取で儲けることを推奨する。

 スワップの受取を目的にポジションを取るなら、必然的に高金利通貨のロング・ポジション(買い持ち)ということになる。現在、日本円は相対的に低金利だから、必然的に外貨のロングだ。

 本の著者は「ローリスクを徹底するためにレバレッジを一倍にしようとすると、結局、外貨預金と同じくらいの資金が必要になる」とレバレッジの利用(何倍とはっきりいわないが)を勧める。

 そこで、かつてFXの勧誘広告がよく使った手だが、証拠金を元本にして利回りを計算する。この本でもレバレッジを10倍として英ポンドの必要証拠金が20万円、豪ドルの必要証拠金は9万円なので、それぞれのスワップ受取から計算した年率利回りが約45%と約60%となって、「利回りで判断すると、豪ドルのほうが断然おトク」と紹介する。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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