スマホが元凶
断食できないなら節食を

 プチネット断食シリーズの最後に「最低限これだけは」というプチプチネット断食について、書きましょう。まあ、断食(食べない)というより、節食(食べるのを少なくする)のレベルなのですが、やらないよりはずっとマシ、ということで。

 対象はスマートフォンです。従来の携帯電話(いわゆるガラケー)から、スマートフォンに乗り換えた経験を持つヒトにはわかると思いますが、スマートフォンは、ヒトの隙間時間や余白をすべて埋めてしまいます。それどころか隙間でないメインの時間にも侵食し、ヒトは家族の会話・恋人との一時(ひととき)・仲間との語らいをすべて、「スマートフォンを見ながら」する状態です。さらには、物理的にも情報的にもヒトの視界を狭め(第68講参照)、狭い狭い箱に閉じ込めてしまいます。

以下の6ヵ条は、「スマホが危険なことはわかってる! でも、スマホ断ちはどうしてもできないんだ!」と叫ぶ人たち向けの「スマホ節食」法です。

 一体どうやったらわれわれは、大切な人生の余白や、友や家族とのリアリティを、取り戻すことができるのでしょうか。

≪1≫ まず通知機能を全部止める

 まずやるべきは、「便利な通知機能」を全部止めることです。

 メールが来たよ、メッセージが来たよ、投稿があったよ、誰かがいいね!を押してくれたよ。思い切って、電話の着信通知以外はすべて、止めましょう(緊急地震速報などは別)。

 もちろん全部止めるのではなく、「3分類する」というようなやり方もあります。

≪分類1≫ 電話、メール(G/E/SMS)、LINEなどの通知はそのまま
≪分類2≫ Twitter、Facebook、RSSなどは設定で「サウンド」と
      「ロック中の画面に表示」のみをオフ
≪分類3≫ ゲームや天気・株価予報などは通知オフ

 しかし、これではおそらくほとんど意味がありません。多くの通知が≪分類1≫≪分類2≫から殺到するからです。≪分類1≫≪分類2≫にはコミュニケーション系のモノがずらりと並んでいます。メール、LINE、Twitter、Facebook……。

スマートフォンの各種通知機能は、ヒトの「コミュニケーション強迫症」を加速します。電話以外、止めましょう。自分が気になったときだけチェックすることで、日常生活上は十分です。