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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

多くの人が得意な仕方で学んでいないし仕事もしていない

上田惇生
【第352回】 2013年10月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
1890円

 「強みと同じように、仕事の仕方も人それぞれである。個性である。生まれつきか、育ちかは別として、それらの個性は、仕事につくはるか前に形成されている」(『プロフェッショナルの条件』)

 ドラッカーによれば、仕事のできるできないは、いくつかの習慣的な姿勢と基本的な方法を身につけているかどうかの問題である。

 それらの姿勢と方法とは、時間を管理する、貢献に焦点を合わせる、強みに築く、集中する、的確に意思決定することである。

 加えて、所を得ているかどうかの問題である。その所を得るために知らなければならないことが、自らの強みであり、得意とする仕事の仕方であり、自らの価値観である。

 仕事は、自分の得意とする仕方でしなければならない。そして、仕事の仕方について最初に知っておくべきことが、自分の得意とする学び方である。

 ドラッカーは、子どもの頃から、学び方と教え方に興味を持ってきた。興味が趣味に変わり、研究対象にまでなっていた。そのため、分野にかかわりなく、一流の教師とされる人の授業には、万難を排して潜り込んでいた。大学教授を対象とする研究方法についての調査プロジェクトの主査をやったこともある。

 「かつて一流の大学教授について調べた時、かなりの人たちが、学生に教えるのは、自分がする話を自分の耳で聞きたいからだ。そうすることによって、初めて書けるようになる、と答えていた」

 ドラッカーは、訳者が本人よりもわかってくれている、と口癖のように言っていた。私が単純に喜んでいたら、ある本の日本版へのはしがきで、最善の学び方の一つが翻訳することだからだ、と簡単に言われてしまった。

 ドラッカーは、「自らの学び方がどのようなものであるかは、かなり容易にわかる。得意な学び方はどのようなものかと聞けば、ほとんどの人が答えられる。では実際にそうしているかと聞けば、そうしている人はほとんどいない」と言う。

 「自らの学び方についての知識に基づいて行動することこそ、成果をあげる鍵である。あるいは、それらの知識に基づいて行動しないことこそ、失敗を運命づけるものである」(『プロフェッショナルの条件』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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