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石川和男の霞が関政策総研

使用済燃料1万7000トンは原油換算15~23兆円!
新基準適合を理由に全処理工程停止は妥当か?

石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]
【第6回】 2013年10月21日
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原発内の燃料プールは7割
六ヶ所再処理工場も満杯状態

 “脱原発”の根拠としてよく挙げられるのは、発電後に残る「使用済燃料」の存在だ。“核のゴミ”と揶揄する人も少なくない。現在、日本国内に1万7000トンある。

 大半は再利用可能で、原油換算で15~23兆円分(1バレル当たり7200~1万1000円)に相当し、日本国内の原子力発電電力量の5年分、総発電電力量の1.5年分を賄うことができる量だ。『リサイクル燃料』とも呼ばれるのは、そういう理由による。

 原子力発電で使われる核燃料のウランは、発電後に使用済燃料となる。これは、再利用できるものとそうでないものに分別することができる。使用済燃料の95~97%は消費されなかったウランや新たに生成されたプルトニウムであり、リサイクル利用ができる。

 これを使用済燃料から取り出すことを「再処理」、再処理をして新たに造られる燃料を「MOX燃料」、これを再利用する一連の流れを「核燃料サイクル」(図1)と言う。

 原子力発電所の使用済燃料からは崩壊熱と放射線が出るので、所内で保管しておく必要がある。現在は、所内にあるプールで冷却しながら保管する方法が主流だ。

 所内のプールの容量には限度があるため、原発の運転を継続するには使用済燃料を他の場所へ搬出しなければならない。主な行き先は、青森県六ヶ所村にある再処理工場だ。全国の原子力発電所の使用済燃料プールは全体として約7割が既に埋まっており(図2)、六ヶ所再処理工場の燃料プールもほぼ満杯状態にある。

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石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]

1989年3月東京大学工学部卒業。同年4月通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁、生活産業局、環境立地局、産業政策局、中小企業庁、商務情報政策局、大臣官房等を歴任。2007年3月経済産業省退官。08年4月東京女子医科大学特任教授(~10年3月)。09年1月政策研究大学院大学客員教授。09年4月東京財団上席研究員。11年9月NPO法人社会保障経済研究所代表。ツイッター:@kazuo_ishikawa ニコ生公式チャンネル『霞が関政策総研』、ブログ『霞が関政策総研ブログ』


石川和男の霞が関政策総研

経済産業省の元官僚として政策立案の現場に実際に関わってきた経験と知識を基に、社会保障、エネルギー、公的金融、行政改革、リテール金融など、日本が抱えるさまざまな政策課題について、独自の視点で提言を行なっていく。

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