「就活」にはじまり、「婚活」「朝活」「ソー活」など、ここ数年でグッと増えた「○○活」に、最近新たに「涙活」が加わった。
涙活とは、その名の通り、能動的に涙を流す活動である。今年の1月から、毎月1~2回程度、都内各所で泣ける映画や動画を上映するイベントが行なわれている。
涙活をはじめたのは、離婚式プランナーの寺井広樹氏だ。
最初は、毎週末
1人で泣いてみた
「私は数年前から、離婚を“縁あって夫婦になった2人の再出発”と定義して、より良いお別れにするためのセレモニー=『離婚式』をプロデュースしています。ここでは多くの“元ご夫婦”が泣くのですが、大泣きした人ほど式が終わるとすっきりとした表情になるんです。もしかして、涙には何らかのストレス解消効果があるのかな、と感じたのが『涙活』をはじめるそもそものきっかけでした」
それからというもの、まずは1人で“週末号泣”をはじめたという寺井氏。といっても、泣けると銘打った映画や動画を1人で見るだけなのだが、最初はあまりうまくいかなかったという。
「単純に、なかなか泣けなかったんです。考えてみれば、私はあまり泣かないタイプで、一番最後に泣いたのは数年前の祖母のお葬式。映画を観て感動しても、泣くことはありませんでした。その失敗から、まわりに聞き取り調査をしてみたところ、私と同じように『泣いていない』『泣けない』という人が多かったんです。特に男性に多く、バリバリ働く女性にも多いようでした」
寺井氏は、「男性の涙の邪魔をしているのは、古くからある『男は(人前で)泣かないもの』という既成概念」と分析する。