旬を楽しみ、身体が喜ぶ 江戸料理
【第59回】 2013年11月8日 車 浮代

芹との相性が抜群とされた「鴨」
江戸時代は大切な方へのお歳暮に

 秋に大陸から飛来し、長旅の疲れを癒して丸々と肥え太った鴨は、冬が最もおいしくなる季節です。

鴨焼き
【材料】合鴨スライス…1パック/塩…少々/胡椒…少々/練り辛子…適量
【作り方】①フライパンを熱し、一旦火を止めてから鴨を並べ、弱火で焼き始める。②鴨の脂がにじみ出てきたら中火にして返し、塩、胡椒をかけて両面を焼く。練り辛子を添える。

 江戸時代に書かれた『料理物語』には、鴨の調理法として「汁。湯ぬき。いり鳥。生皮。さしみ。なます。こくせう。くしやき。せんば。さかびて。其外色々」とあることから、日本人が鴨を好んで食べていた(しかも生でも)ことがわかります。

 江戸時代にポピュラーだったお歳暮は、塩引鮭(関西では塩鰤)、干鯛《ひだい》、鮒、鴨、鶏などですが、中でも鴨は、届いた瞬間に顔がほころぶ、人気の品だったようです。

 ・手を取って 子に撫でさせる 鴨の腹

 という句が残っています。

 羽つきの鴨が丸々一羽家に届き、喜びのあまり親が子どもを呼んで、柔らかい腹の羽毛を撫でさせている情景が目に浮かびます。

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旬を楽しみ、身体が喜ぶ 江戸料理

栄養価の高い旬の食材を、あまり手を加えずにいただく――。これが江戸料理の醍醐味であり、健康長寿につながる正しい食のあり方だと思います。このコラムでは、江戸料理と健康をテーマに、食材ごとの情報とレシピをご紹介していきます。

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