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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

日中ホテル同士の相互勉強と交流が示す
関心は明らかにハードからソフトへ

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第183回】 2013年11月28日
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上高地帝国ホテルでの体験

 長野県に上高地帝国ホテルに宿泊した時の体験だ。

 朝食を食べに1階に降りたら、ホテルの従業員が名前を呼んで朝のあいさつをしたあと、朝食のレストランに案内された。レストランでは、従業員が名前を呼んで迎え、そして席までエスコートしてくれた。朝食の品々が運ばれてくるたびに、従業員の方は世間話のようにおかずを紹介し、雑談もしてくれた。妻もたいへん感心した。「ほら、お父さん、ここの従業員は来るお客さんの名前を全員呼べているのよ」と。

 ありふれたサービス用語ではなく、人間の感情も入ったぬくもりを感じさせる従業員、加えてそれぞれの個性も映し出されている自家製サービス用語の自然さと親切さに、私は感心しっぱなしだった。おかげで、楽しい食事ができた。給仕してくれた若い女性の出身が能登であることもわかり、石川県のインバウンド事業に携わり、能登に何度も足を運んだことのある私たち夫婦はさらに親近感を覚えた。

 チェックアウトの時、私の前にチェックアウトの手続きをしていた貴婦人然とした女性が、ついでに来年の同時期の宿泊の予約も済ませたのを見て、上高地帝国ホテルの人気ぶりとすごさを再認識させられた。

細やかなサービスができる中国のホテル

 半年前に、中国の大手家電メーカー・ハイアールを取材するため、青島を訪問した。宿泊したホテルは青島海景花園大酒店だった。実は、この青島海景花園大酒店は十数年前から、私が青島市を訪問するたびによく泊まるホテルとなっていた。

 11年前に出合ったこのホテルは当時、看板には5つ星と打ってあるが、設備などハードの面では、場合によっては新しい3つ星ホテルにも及ばないところもあった。海水浴場や観光スポットにも遠い。それでも青島ではいつも海景花園を選んでいる最大の理由は、中国北方でサービスが一番いいということだった。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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