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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

社会からの隔離孤絶を改善することが急務

上田惇生
【第92回】 2008年9月30日
著者・コラム紹介バックナンバー
企業とは何か
ダイヤモンド社刊
2400円(税別)

 「企業の経営幹部は、自らの言動によって自らの企業を動かし、自らの企業によって自らの言動を動かされる。ところが彼らは、特殊な環境に身をおき、あたかも修道院にいるかのように隔離され孤絶した状態にある」(『企業とは何か』)

 この隔離弧絶には、やむをえない面がある。仕事以外に人に会う時間がない。仕事に直接関係のない情報は切り捨てられる。人との付き合いも、社内だけとはいわないまでも、同業、同類、取引先が中心となる。

 外部に利害忠誠の対象を持つなかれ、とは軍人だけのことではない。かくして経営幹部の生活は、軍人同様に狭い世界のものとなる。しかも、それを是とする。

 ドラッカーは、企業の経営幹部たる者、まず社会からの隔離弧絶を改善することが急務だと言う。

 この経営幹部の視野の狭さは、企業にとってあまりに危険である。企業は社会のためにある。そのうえ、社会に生きている。しかるに、社会から隔離された経営幹部は、仕事の世界しか理解できない。

 社会の動きが企業とその生存に影響を与えることは理解できる。しかし、最大の問題は、外の世界がなぜそのように動くかを理解できず、いかに動くかを予期できないところにある。

 「トップに近い位置にある者は組織の虜たらざるをえない。したがって問題は、企業の経営幹部に対し、いかにして企業外の視点、世の中のものの見方への理解を深めさせるかにある」(『企業とは何か』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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