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家庭用ゲーム機逆風下でも24時間で実売100万台!
ソニーPS4好発進のカギはインディーズの発展
――吉田修平SCEワールドワイド・スタジオ プレジデントに聞く

石島照代 [ジャーナリスト]
【第45回】 2013年12月2日
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吉田 ただし、その中にも投資家的な人もいれば、自分がクリエイターであり続けたい人もいて、人それぞれニーズも違うわけです。だから、買収後もある程度の期間はキーパーソンはいてもらうという形にしないと、うまくいかない。でも、たいていその期間が終わったら、また独立していく人たちが多いですね。でも、もうそれは仕方ない。

 もっといえば、うちが今まで欧米で買ったスタジオっていうのは、過去に一緒に仕事をしていないスタジオはひとつもない。それは複数タイトルの契約をしながら、ファイナンス的なアレンジメントもやっているからです。その方が安心してものがつくれるよね、と。独立系の人たちって、ひとつのタイトルが終わったときが一番プレッシャーがかかりますよね。次の仕事を取りに行かなきゃいけない。

――そうなんですよ。中小企業はこの運転資金の手当てが大変で、私もよく泣かれます。だから、たとえば5タイトル分の予約をしてくれるような契約だとスタジオも仕事しやすくなりますよね。

吉田 そうそう。昔だったら1チーム20人とかだったので、経営者たちも仕事がなくても2、3ヵ月は自分の金で食わせてやれると思っていたのが、今やもう100人以上になりますから。1ヵ月仕事がないだけで大変なんですよ。そこで、たとえば5タイトル分の予約をするとなれば、「ソニーってイヤな奴じゃないな」となるでしょ(笑)。しかも売れたタイトルがあれば、そのシリーズをやることである程度安定して成功もできる。もういっそ、会社ごと買ってもらってクリエイティブに集中したいというケースもあります。

――このようにインディーズも含めたたくさんの社内外の関係者に支えられ、たくさんのファンに歓迎ムードで迎えられたPS4ですが、これだけ北米で人気だと日本でも2月22日の発売日が待てないファンが増加しそうですね。

発売イベントは北米でも実施された

吉田 日本のプレイステーションファンをお待たせしてしまい、本当に申し訳ありません。皆さんに楽しんでいただくために、様々なタイプのタイトルを鋭意製作中ですので、もうしばらくの間お待ちいただけたら幸いです。また、PS4の世界を発売前に体験していただけるよう、11月16日より日本全国6都市でイベントを実施しています(詳細はこちら)。ぜひお越しいただき、実際に触っていただいてPS4の良さが伝わったらうれしいですね。

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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