映像事業の赤字脱却を今期の必達目標に掲げたオリンパスだが、4期連続赤字予想へ下方修正した。打開策を聞いた。

オリンパス社長 笹 宏行 <br />コンパクト値崩れが想定以上 <br />ミラーレスは自社組み立てにPhoto by Hiroyuki Oya

──映像事業が4期連続赤字の見通しになりました。

 コンパクトデジタルカメラの値崩れが、ここまでひどいとは想定していなかったのです。期初は単価を1万5600円で計画を立てましたが、1万4300円まで下落しました。上期の映像事業の赤字は27億円で、このうち11億円が為替の影響です。差し引いた16億円の赤字の一因が値崩れですね。

──カメラの在庫削減は進んでいるのでしょうか。

 コンパクトの旧モデルの在庫は、ものすごく減っています。3月末から9月末までに台数ベースで75%減らしました。

──ただ、金額ベースで見ると在庫はあまり減っていません。

 在庫の質が変わっているんです。新しいミラーレスのフラッグシップ機OM-D E-M1の在庫を持たないといけない。また、レンズの評判がものすごくよいため増産していて、仕掛品が増えています。ミラーレスのレンズ付帯率(カメラ1台当たりのレンズ販売本数)を上げる施策が実現しつつあり、レンズ増産にリスクはないと思っています。付帯率は個人的には2本を狙いたいですね。

──下期はミラーレスを41万台売る目標を立てています。

 PENの市場は半期20万台で安定推移しています。E-M1は店頭在庫もないくらい評判がよく、10万台はいくでしょう。30万台は見えています。残り10万台をどうするかですが、OM-Dのシステム拡充や、E-M1が出たことによって、E-M5の販売に拍車がかかると考えています。