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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

人間関係というものは全体への貢献と
仕事への貢献を中心に置くことで一変する

上田惇生
【第364回】 2013年12月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
ドラッカー名言集『仕事の哲学』
ダイヤモンド社刊
1470円(税込)

 「人間関係の能力をもつことによって、良い人間関係がもてるわけではない。自らの仕事や他との関係において、貢献を重視することによって、良い人間関係はもてる。そのようにして、人間関係は生産的となる。生産的であることが、良い人間関係の唯一の定義である」(ドラッカー名言集『仕事の哲学』)

 人間関係に悩む若者が増えたせいか、人間関係についてのハウツーが、多く書かれ、多く読まれている。しかし、人間関係の根本は人間関係のスキルによって左右されるのではない。

 もちろん、潤滑油としての礼儀作法は重要である。しかし、真の人間関係は、スキルを超えたところにある。とはいえ、高邁な思索の世界にあるわけでもない。

 ありがたいことに、人間関係は、仕事の場において、全体への貢献と人の仕事への貢献を中心に置くだけのことで、がらりと一変する。あらゆる関係が、前向きの生産的なものに変わる。

 ドラッカーは、「仕事上の成果がなければ、温かな会話や感情も無意味である。貧しい関係の取り繕いにすぎない。逆に、関係者全員に成果をもたらす関係であれば、失礼な言葉があっても人間関係を壊すことはない」と言う。

 しかも、「成果をあげる秘訣とは、ともに働く人たち、自らの仕事に不可欠な人たちを理解し、その強み、仕事のやり方、価値観を活用することである。仕事は、仕事の論理だけではなく、ともに働く人たちの仕事ぶりに依存するからである」。

 さらには、逆に、自らの強み、仕事のやり方、価値観、果たすべき貢献を知ったうえで、それを誰に知らせるかを考えなければならないということである。

 組織内の摩擦のほとんどは、互いに、相手の仕事、仕事のやり方、重視していること、目指していることを知らないことに起因する。つまり、問題は、互いに聞きもせず、知らされもしないことにあるという。

 「果たすべき貢献を考えることによって、横へのコミュニケーションが可能となり、チームワークが可能となる。自らの生み出すものが成果に結び付くには、誰にそれを利用してもらうべきかとの問いが、命令系統の上でも下でもない人たちの大切さを浮き彫りにする」(『仕事の哲学』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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