「この本のおかげで出世できた」「チームのパフォーマンスが上がった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。今回は、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方を指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

ワースト1は「感想だけの報告」
仕事の進捗報告や結果報告において、出世しない人ほどやりがちなNGパターンがあります。
それは、「感想だけの報告」です。
「頑張りました」
「苦労しました」
「うまくいったと思います」
こうした報告は一見、熱意がこもっているように見えて、事実も論点も不明瞭な「空報告」です。
上司は評価しづらく、意思決定にも活用できません。
求めているのは「数字」と「次の行動」
報告は、本来「判断材料を渡すこと」が目的です。
そのためには、事実ベースの数字と、次の打ち手がセットでなければなりません。
たとえば、「前月比+12%の資料請求がありました。要因は◯◯で、次はXXの強化を考えています」。
このように構造化された報告であれば、上司は即座に意思決定ができます。
感想は必要ありません。重要なのは、事実→分析→提案の流れです。
感想報告は「自己保身」の表れ
感想で報告を終える人の心理の裏には、失敗を避けたい気持ちがあります。
「やることはやりました」「大変でした」という言葉で、自分の努力をアピールすることに無意識の重きを置いているのです。
しかし、上司が評価するのは「努力」ではなく、「再現性のある結果と構造」です。
その視点が欠けている限り、どれだけ頑張っても評価にはつながりません。
出世する人ほど、報告の質が高いです。
上司が聞きたい内容を先回りし、構造的に、簡潔に、次の打ち手まで見せる。
その繰り返しが、「この人に任せれば安心」という信頼を築いていきます。
報告の内容は、そのまま思考の質を表します。
だからこそ、「どう報告するか」はキャリアに直結します。
仮面をかぶって、報告は冷静に
たとえ内心では「苦労したことをわかってほしい」と思っていても、
リーダーや上司の前では、仮面をかぶってでも冷静に報告すべきです。
感情を抑え、事実と数字で語る。
評価されるのは、熱量ではなく構造です。
仮面をかぶり、ロジックで信頼を勝ち取りましょう。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計170万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。