2013年も年末となった。今年のテクノロジー業界にもいろいろなできごとがあった。それを振り返りながら、2014年の行く末を考えたい。

1.NSA(アメリカ国家安全保障局)問題

 NSAの元契約職員であるエドワード・スノーデン氏が、NSAの行き過ぎた情報収集活動とプライバシー侵害を訴えるために、その機密文書を暴露。グーグル、マイクロソフト、アップル、フェイスブックなど、インターネットや通信会社大手が軒並み関わっていたことが明らかになった。

 暴露された内部文書がすべて出尽くしたのかどうかは、まだ不明。アメリカがドイツ政府などの友好国に対しても盗聴活動を行っていたことが明らかになり、外交問題にも進展している。これに協力していたとしてユーザーからの信頼を失ったテクノロジー企業は、内部サーバーの暗号化を急ぎ、現在合同で政府へ情報収集における改革を訴えているところ。この問題は、2014年以降にも長く持ち越しそうだ。

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2.ビットコイン・バブル

 インターネットがついに貨幣のしくみまで変えようとしている。ビットコインは、今年もっとも話題になったテクノロジー技術の1つ。かつて鉱山労働者は埋蔵する「金塊」を掘り出していたが、ビットコインは難しいアルゴリズム(ソフトウェア)を解くことによって手にすることができる。今や普通の人々はこの“鉱山”に近寄ることすらできないくらい、そのアルゴリズムの問題は難しくなっており、方々にできている交換市場で手に入れる。

 ビットコインは、めんどうな手間や料金なしにユーザーからユーザーへお金が移動できる手段として注目を集めている。ただし、価値が急騰、急降下するので、やはり普通の人々が手を出すにはまだ危険なものだ。11月に、アメリカ上院でのビットコインに関する公聴会が前向きの姿勢を示したため、今後広まっていくことは間違いないだろう。

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