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コミケは大企業も注目する日本屈指のイベントに成長
そこへ「ディズニーが公式出展」する意義と影響は

小山友介 [芝浦工業大学システム理工学部教授]
【第47回】 2013年12月27日
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 IT系ではGoogleが昨年(2012年)の夏にGoogle+のカバーイラスト集の配布を行った。マイクロソフトは昨年の冬以降、「窓辺ななみ、窓辺ゆう、窓辺あい」といった自作PC向けに産み出されたWindowsのキャラクターグッズを販売しており、情報収集から一歩踏み込んだ形での参加となっている。キャラクター系ではサンリオ子会社のサンリオウェーブが「キティが好きな女の子」をコンセプトとした「ハローキティといっしょ!」で2009年に出展している。

 今回のディズニーの参加も、この流れで捉えるとわかりやすい。ディズニーの作品は任天堂やスタリオジブリと近い、キッズ・ファミリー層である。幅広い年齢層に支持されているが、普段からマイナーなマンガ・アニメを熱心に消費する層への波及力はあまり強くない。

 そのため、成功するかどうかはまったくの別問題だが、今回のコミケット内で既に人気があるイラストレーター(絵師)たちや吹替声優らとコラボレーションする形で出展する、という戦略は理にかなっている。コミッケット参加者の手に触れやすくすることで、映画の視聴へと誘導できるからだ。足を運んだあとにディズニーのファンになってくれるかどうかは作品の出来次第だが、「食わず嫌い」で見られないという事態を減らす効果はありそうだ。

 今回のコラボレーション企画は日本国内だけの企画だが、コミケットは世界中から注目されているイベントであり、ニュースの配信やツイートのリツイートなどで世界中に広まっていく可能性は充分にあり、コラボレーションする側にもプラスの影響があるだろう。

世界への影響が、
日本のコンテンツ産業に良い刺激を与える

 筆者的には、ディズニーの参加が今回だけでなく、マイクロソフトのような継続的かつ踏み込んだ関係となることを希望したい。逆に言えば、コミケット参加者とディズニーの間の微妙な関係のもとでは、それぐらい「腹をくくって」参加しないと、逆効果にすらなるのではないかと思う。

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小山友介
[芝浦工業大学システム理工学部教授]

1973年生まれ。芝浦工業大学システム理工学部教授。2002年京都大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。東京工業大学助教等を経て現職。東工大時代に経済シミュレーション研究に従事、そこで学んだコンピュータサイエンスの知識を生かしてゲーム産業研究を行なう。専門はゲーム産業を中心としたコンテンツ産業論と社会情報学。2016年6月末に『日本デジタルゲーム産業史』 (人文書院)を刊行。

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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