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野口悠紀雄 期待バブルが幻滅に変わるとき

2014年の日本経済の動向は
ユーロ情勢が握る

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第7回】 2014年1月9日
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 2012年秋からの円安は、日本経済に大きな影響を与えた。14年においても、日本経済は為替レートの動向によって大きく左右されるだろう。

 為替レートの動向を握るのは、国際的な投資資金の動きである。以下では、この数年間にいかなる動きがあったかを分析し、今後の動向を探る。

2012年秋以降:
ユーロ危機の鎮静化と南欧国債利回りの低下

 スペインとイタリアの10年国債利回りの推移を図表1に示す。ここから読み取ることができる傾向はきわめて明白だ。すなわち、「11年の秋から12年夏にかけて利回りが高騰したが、それが12年秋に終わり、いまでは元の水準に戻った」ということだ。

 スペイン10年国債利回りは、10年9月までは、(一時的にそれより高くなることはあったものの)ほぼ4%程度だった。それが10年10月に急上昇し、5%~6%程度になった。11年11月末から12年3月まで一時的に低下したが、その後急上昇し、12年7月末には7.6%にまで上昇した(図表は月中平均のため、数値が若干異なる)。

 しかし、それがピークで、その後は一貫して低下した。14年1月初めには、4%を割り込む水準まで低下している。この5年間程度を概観すれば、「11年~12年夏が高騰期だったが、それが去った」と言える。

 イタリア10年国債の利回りも同様の動きをしている。高騰が始まったのはスペインの場合より遅く、11年10月末頃だった。12年7月から下落している点では同じだ。14年1月初めには4%を割り込んだ。ただし、12年1月から3月にかけての一時的な下落が、スペイン国債の場合より顕著だ。その後、3月中旬から7月末にかけて上昇している。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄 期待バブルが幻滅に変わるとき

アベノミクスの本質は、株価や為替レートなど資産価格のバブルを利用して、経済が好転しているような錯覚を人々に与えるものだ。人々の将来への「期待」を高め、それを実体経済の改善につなげようとする。たしかに、株価は上がり、輸出企業の利益は増えているが、賃金や設備投資に回復の兆しは見られない。果たして、人々の「期待」は実現するのか、それとも「幻滅」に変わるのだろうか?

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