2012年秋からの円安は、日本経済に大きな影響を与えた。14年においても、日本経済は為替レートの動向によって大きく左右されるだろう。
為替レートの動向を握るのは、国際的な投資資金の動きである。以下では、この数年間にいかなる動きがあったかを分析し、今後の動向を探る。
2012年秋以降:
ユーロ危機の鎮静化と南欧国債利回りの低下
スペインとイタリアの10年国債利回りの推移を図表1に示す。ここから読み取ることができる傾向はきわめて明白だ。すなわち、「11年の秋から12年夏にかけて利回りが高騰したが、それが12年秋に終わり、いまでは元の水準に戻った」ということだ。
スペイン10年国債利回りは、10年9月までは、(一時的にそれより高くなることはあったものの)ほぼ4%程度だった。それが10年10月に急上昇し、5%~6%程度になった。11年11月末から12年3月まで一時的に低下したが、その後急上昇し、12年7月末には7.6%にまで上昇した(図表は月中平均のため、数値が若干異なる)。
しかし、それがピークで、その後は一貫して低下した。14年1月初めには、4%を割り込む水準まで低下している。この5年間程度を概観すれば、「11年~12年夏が高騰期だったが、それが去った」と言える。
イタリア10年国債の利回りも同様の動きをしている。高騰が始まったのはスペインの場合より遅く、11年10月末頃だった。12年7月から下落している点では同じだ。14年1月初めには4%を割り込んだ。ただし、12年1月から3月にかけての一時的な下落が、スペイン国債の場合より顕著だ。その後、3月中旬から7月末にかけて上昇している。