『逆境経営 山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法』の1/17刊行を記念して、著者である桜井博志・旭酒造社長のインタビューをお届けします。今年8月、フランス・パリへの小売り併設レストラン&バー開店を控え、その狙いや、昨年末に現地で開催されたお披露目パーティーの様子のほか、今年の目標について聞きました。1/16(木)テレビ東京系列「カンブリア宮殿」出演!
ーー2013年5月、東京・京橋に「獺祭Bar23」を開業されました。日本料理店「青柳」による本格的な和食と、各種<獺祭>が楽しめる、16席ほどの小さなバーですが、盛況ですね。この店を基本形として今夏から海外に出店されます。
今夏にパリ、さらにはロンドン、ニューヨークへと出店する予定です。パリの店は、店舗設計を世界的な建築家・隈研吾さん、料理を「青柳」の小山裕久さんにお願いし、オールジャパンの力を結集して臨みます。
ーーなぜ<獺祭>をパリに?
ご承知のように日本は人口が減っていく一方ですから、より大きな市場である海外を目指します。しかも、和食は2013年12月にユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されました。きっと今まで以上に、世界中の人たちが日本の食文化の豊かさを知る機会が増えるはずです。
そしてパリは、欧米食文化の中心地です。日本酒の一大市場になりつつあるアメリカ・ニューヨークの高級レストランもみな、パリを向いています。ですから、私たちが提案する「日本酒の世界標準」をパリで確立できれば、おのずとニューヨークやその他海外都市に広がっていくでしょう。ワインが世界中で愛されるように、日本酒ももっとたくさんの人に愛していただきたいと願っています。
パリ出店を知らせるパーティーは大盛況
ーー2013年12月、今夏のパリ出店に先立って、地元にお知らせするためのパーティーを開催されました。参加者数は、なんと昼夜で計100人にのぼったとか。
その多くは「日本酒は知っていたけど、こんなにいいものなのか!」と、まるで新しい飲み物に出会ったかのように非常に喜んでくださって、大きな手応えを感じることができました。
もちろん、一緒にお出しした料理との相性の良さあってのことだったと思います。小山さんや隈さんなど日本トップの力を結集した店を出すことに、ユネスコ日本政府代表部特命全権大使の門司健次郎さんなどは大変感激し、日本通であるパリ商工会議所のピエール=アントワンヌ・ガイイ会頭らも期待を寄せて下さっているようでした。