ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
Close-Up Enterprise

エコカー苛烈競争で浮上する
知られざる“燃費偽装”問題

週刊ダイヤモンド編集部
2014年1月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

2013年の新車販売台数は537万台と大台を超えた。市場を牽引するエコカーのセールスポイントは燃費だ。だが、過度な燃費競争は、日系メーカーの国際競争力を弱めることになりかねない。

 昨年12月、ハイブリッド車(HEV)と軽自動車の両カテゴリーにおいて、最高燃費車の首位が入れ替わった。燃費とは、消費燃焼率のことで、ガソリン1リットルで走行できる距離を数値化したものだ。

 まず、HEVでは、トヨタ自動車「アクア」が世界最高燃費37.0キロメートル/リットルを達成し、昨年9月からホンダ「フィット ハイブリッド」に奪われていた首位の座を奪還した。軽自動車では、スズキ「アルトエコ」の燃費が35.0キロメートル/リットルとなり、ダイハツ工業「ミライース」からガソリン車燃費トップを再び奪還した。やられたらやり返す──。血みどろの燃費競争が繰り広げられている。

 その舞台裏では、高い燃費数値をひねり出すために、なりふり構わぬ禁じ手が使われている。

 例えば、2011年末に「アルトエコ」が「ミライース」の燃費性能に追いつくために講じたのが、ガソリンを入れる燃料タンクを既存モデルの30リットルから20リットルへと大幅に縮小するという荒業だった。軽量化で燃費は飛躍的に改善したものの、航続距離が短くなりかねない苦肉の策である。

 また、昨年9月には、ホンダ「フィット」のHEV・ガソリン車の最低グレードのみ、リアセンターヘッドレスト(後部座席真ん中の枕)を軽量化のために排除している。一般的に言って、クラス最高燃費を掲げる最低グレードは、燃費を喧伝するための“客寄せパンダ”であり売れ筋ではない。とはいえ、万が一のときの安全装備を削らざるを得ないほどに、燃費競争は苛烈を極めているのだ。

 こうした小手先の燃費マジックは、まだかわいいほうだろう。実際には、自動車ユーザーが気づかないままに、“燃費偽装”とも呼ぶべき実態が放置されている。その中身に触れる前に、燃費の測定法について簡単に説明しておこう。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年2月25日号 定価710円(税込)

特集 弁護士・裁判官・検察官 司法エリートの没落

知られざる法曹界の真実

【特集2】
サントリーと創業家
グローバル化への試練

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


Close-Up Enterprise

日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?『週刊ダイヤモンド』編集部が徹底取材します。

「Close-Up Enterprise」

⇒バックナンバー一覧