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今週のキーワード 真壁昭夫

“雁行形態論”の体現者から取り残された恐竜へ?
連続赤字予想の任天堂に贈る「復活へのエール」

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第310回】 2014年1月21日
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任天堂の落ち込みに歯止めかからず
今後環境変化に対応できるか?

 つい最近まで、わが国を代表する優良企業の1つに数えられていた任天堂の収益落ち込みに、歯止めがかからない。1月17日に発表された同社の2014年3月期の連結損益予想は350億円の営業赤字になる模様で、これは3期連続となる。

 その背景には、主力商品であるゲーム機「Wii U」の販売不振がある。昨年12月、大きな期待を持って新発売された「Wii U」の今期の販売予定は900万台であったが、実際の販売台数は280万台程度になる見込みだ。

 それだけ販売予定台数が下振れするということは、同社の市場のニーズの読み違いがあると見られる。スマートフォンなどのIT機器の発達によって、消費者の専用ゲーム機に対するニーズが大きく低下している。

 おそらく同社は、そうした消費者嗜好の変化を過小評価したのだろう。報道によると、専用ゲーム機向けのソフトも同様の理由から売れ行きが芳しくないようだ。

 ハード・ソフト両面でこれだけの販売不振に陥ると、業績が悪化することは避けられない。同社は社会の中でのスマートフォンや、ネット環境の変化に追いつくことができていないのが実情だろう。

 問題は、同社が激しい環境変化に迅速に対応できる体制づくり=イノベーションができるか否かだ。それができれば、同社の復活は十分に可能だろう。

 任天堂の歴史を振り返ると、1889年に創業された花札の製造・販売を行う「山内房治朗商店」に行き着く。1900年代に入って、当時輸入品しかなかったトランプを日本で初めて製造して成功を収め、わが国有数の業者となる。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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