リアルタイムに世界で起こっている出来事や、興味・関心のある事柄と世界中の人々を140文字でつなぐTwitter。ときに社会を大きく変える原動力となり、ときに人々を支えるライフラインとなる。前回に続き、そんなTwitterの日本法人を率いる近藤氏に、同社が求める人材や今後の日本人の働き方などについてお話を伺った後編。

異業界で価値を生む働き方

 ニーズの多様化と共に働き方は大きく変わり、企業の雇用の仕方も変わり始めています。近藤さんは今後、日本人の働き方はどのように変化すると思いますか?

こんどう・まさあきらジェームス
Twitter Japan株式会社代表取締役会長。慶応義塾大学経済学部卒業。ハーバード大学経営大学院修士号を取得。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て2011年4月より現職。2005年に、世界経済フォーラム(ダボス会議)のYoung Global Leadersの1人に選出された。一橋大学大学院国際企業戦略研究科の客員教授も務める。

近藤 何かをやろうとしたときに、特定の会社や業界だけでできることは限られていて、会社や業界を横断してこそできることが増えています。ですから、会社や業界をブリッジする働き方が増えるのではないでしょうか。

 まさにプロデューサーですね。

近藤 そうですね。アメリカでは、政府とビジネス、もしくはNPOとビジネスといったように異業界の横断は当たり前のようにあります。日本でも、さまざまな業界を巻き込まないと解決できない課題がほとんどだと思うのです。一昔前まで転職する際に選ぶのは、同業界の同職種というのがスタンダードでしたが、自分のパッションに寄与する業界は複数あります。業界をまたぐことで大きい価値は生まれますよね。

 たしかに。僕は楽天イーグルスの創業メンバーだったのですが、球団もそうでした。

近藤 球団は、地元の人たちやスポンサー、メディア、選手など実に多くの人が共存するプラットフォームですね。Twitterもライフラインという側面と、メディアや政府、企業、エンターテインメントなど、さまざまな話題を持ちます。ですから異業界だったとしても、今までに経験してきたことを新しい価値にできるのです。

 同感です。弊社もIT業界や人材業界出身者ばかりではなく、外資系金融やメーカーなどさまざまなフィールドで活躍していた人が集まって、価値あるサービスを作っています。