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富田直美 真説・IT考

ドローンを経験することで、リーダーはどんな気づきを得ることができるか

富田直美
【第13回】 2014年2月3日
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 読者のみなさんは、当サイトに掲載されているガートナーのマーク・ラスキーノ氏が書かれたこちらの記事は読まれただろうか?

 「CEOへのプレゼント」というテーマで、彼が最初に取り上げているのが、運輸・物流企業のCEOにはドローンで決まり……とのメッセージだった。ドローンについては、私も当コラムで取り上げていたこともあり、このメッセージには引き付けられた。

 ちなみにドローンの意味をWikipediaで調べたところ、「Drone:低音の短音の楽器:オスのミツバチ:軍事用の無人機、車両」など様々な用例がある。確かに多数のプロペラがミツバチのような音を奏でているので、この呼び方も言い得て妙だが、私の印象的には、空中にふわりと現れる幽霊のようで「ヒュー、ドロドロドローン」の「ドローン」の方が似つかわしい解釈なのだが。

 さて、ラスキーノ氏の記事で秀逸なのは、その後のくだりだ。「CEOがこのドローンを使いこなせるようになれば、優れたビジネス・アイデアが閃くのではないか」と日本ではまずあり得ないことを薦めている。

 あり得ないと言うのは、私が思うに、日本にはアメリカ的なCEOはほぼ皆無に等しいからだ。そう書くと孫さんや、柳井さんに怒られそうだが、自ら起業した会社をナショナルブランドに、いや、グローバルブランドにまで成長させたオーナー社長ぐらいしか該当者がいないだろう。

 そもそも、実験とか現場の作業は下の者がやり、社長や役員はその報告を偉そうに聞くものというのが当たり前のようになっている。だから湾岸署刑事の“事件は現場で起きているのだ!!”という言葉が名台詞扱いになってしまうくらいだ。

経験したとしないでは無限大の違い

 「1と0の違いは?」。二進法の所産であるITに慣れ親しんだ人は、この問いかけにどんな答えを返すだろうか?

 「1-0=1」という答えは算数の範囲だ。「1÷0=∞」という答えだと、数学の概念?に関わってくる話になる。私はこういう概念の話が大好きである。ここで、1を「経験有り」、0を「経験無し」とした場合、算数的な差でいえば、整数の最小値である高々1だけの違いだが、とらえ方次第で無限大になるという話だ。

 ラスキーノ氏が書いているのは、CEOがプレゼントされたドローンで最小単位の経験(=1)をすることで、無限大の気付きがあり、当然ビジネスへの閃きも出るに決まっているという、実に簡単に実現可能な話なのだ。

ドローンを最小単位で経験することでリーダーが分かること

 私はCEO経験者であり、現在もシンクタンクの理事、IT企業の名誉会長であり、まあ無理矢理分類すればラスキーノ氏の今回の記事のターゲットの1人とも言えるとしよう。また、趣味のラジコンの世界では1人のレジェンド(自分から言うのも変だろうが)とも呼ばれている。

 こうした立場にいる私の誠実な行動は、ラジコンから派生したこのドローンを最小体験することだと確信し、私財を投じて一歩踏み出した。ここまでが、前回の原稿となったわけだ。

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新しいIT技術に基づく製品やサービスは、人間、社会にどんな影響(ポジティブ、ネガティブ)を与えるのか? 先端IT企業9社の経営経験を経て、現在は名門シンクタンクの理事を務め、大学で人間力を教える著者が、わかりにくいITとIT業界の動きを人間力によって立つ問題意識を元に考察する。

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