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富田直美 真説・IT考

ドローンを経験することで、リーダーはどんな気づきを得ることができるか

富田直美
【第13回】 2014年2月3日
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ドローンのトップメーカーは中国企業

 ここで、私自身のドローン経験を少し紹介しよう。私が所有するドローンはDJI F550という上級モデルと、今週届く予定のDJI Phantom(ファントム)という小型モデルである。

 F550を使って、初めて空撮に挑戦した映像がこちら。

 以前このコラムで、中国企業が凄いとの原稿を書いたが、その時はラジコンのヘリコプターのNo.1企業が中国のWalkeraという会社だと書いた。そのWalkeraもドローンを作っているのだが、ドローンのNo.1企業はDJIであり、Walkeraと同じ中国の深センに本社のある500人規模の会社である。

 北米支社がロサンゼルス、ヨーロッパ支社がドイツのバーケンフェルト、日本支社が大阪にある。もはやラジコンの先進国アメリカ、ドイツ、日本は、中国本社の下部組織なのだ。ラジコンは韓国でなく、中国に持っていかれたのである。

 ビジネス的にはアメリカの支社が大きなマーケットを背景に大きな貢献をしているようだ。ホームページを見ても、まるでアメリカのスポーツ用品の超優良企業のようにしか見えない。

 テーマは“THE FUTURE OF POSSIBLE”(可能性のある未来)。そしてそのトップページの企業概要には、“我々は高性能で、信頼性の高い、簡単に扱えるUAS (Unmanned Aerial Systems=無人飛行システム)のリーダー”と謳っている。空撮を中心とした個人、商用利用をターゲットとしているが、同じシステムが盗撮、偵察、さらには、直接的兵器となる可能性は否定できない。

 かつてソニーがアメリカでトランジスタラジオを売りまくったように、ビル・ゲイツ他数人の零細企業が、パソコン市場でIBMからリーダーの座を奪ったように、アメリカの国民がDJIのドローンを競って購入し、この無人航空機をつくる中国企業の開発力を高めていくという構図が繰り返されている。

 マイクロデバイスの高集積化、CPUの小型汎用化、特に動画撮影、処理、圧縮技術のコモディティ化の流れをうまく活用し、凄い企業が産まれる結果となったようだ。

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新しいIT技術に基づく製品やサービスは、人間、社会にどんな影響(ポジティブ、ネガティブ)を与えるのか? 先端IT企業9社の経営経験を経て、現在は名門シンクタンクの理事を務め、大学で人間力を教える著者が、わかりにくいITとIT業界の動きを人間力によって立つ問題意識を元に考察する。

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