「時代の寵児」が子会社に左遷!
いったいなぜ?

 組織人としてはそのようなことに気を配り、敵を作らないように配慮しなければならないのですが、「うまくいっているとき」にはなかなかできないものなのです。

 次のようなケースがありました。本社の企画部門で課長職にあったAさんは、社内改革を中心人物として一手に担っていました。それが保守的な大手企業としてはドラスティックな改革であったことで、多くのメディアにとり上げられたのです。

 当人は、一企業の会社員という立場ながら、あたかも時代の寵児でもあるかのような扱いで、メディアやフォーラムなどの場にも引っ張りだこの状況でした。社内外から当人の手柄と認知され、鼻高々であったことでしょう。

 しかし、社内改革が一段落した次の異動で、子会社へ配置替えとなったのです。周囲の人たちも相当に驚いたようですので、当人の驚愕の度合いは想像を絶するものだったでしょう。

直属の上司である部長が配置替えの案を出し、その上の執行役員が了承したということであろうと思われます。Aさんはその執行役員には十分に認められ、期待もされていると思っていたようです。