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今頃ルール「創設」! 
保険販売の消費者無視

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第316回】 2014年2月12日
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株式や投資信託並みの説明義務が?
保険の販売ルール、いまごろ「創設」

 2月1日の『日本経済新聞』(朝刊、1面)に、「保険販売ルール創設」「金融庁 投信並みの説明義務」「保険業法改正へ」といった見出しが並ぶ、大きくはないが注目すべき記事が載った。金融庁が、2015年中にも保険の販売ルールを創設する意向で、これが現在の「株式や投資信託並みの説明義務を課す」ものになりそうだ、というのが記事の趣旨だ。

 ルールは今国会で保険業法が成立した後、詳細を内閣府令で決める建て付けとなるようだ。

 ここで何よりも注意すべきは、今まで保険の販売に対して投資信託並みのルールさえなかったことだ。日本人にとって生命保険は「住宅に次ぐ生涯二番目に大きな買い物」と呼ばれることもある高額な金融商品だが、この販売が極めて緩いルールの下で行われてきたのだ。

 今回「創設」されるルールでは、たとえば加入を検討する人に、職業・家族構成・年収などを聞いて、販売員はその人に合った保険を提案するようルール化し、顧客の意向を聞かずに個別の保険を勧誘するのは禁じる方向だという。これが今までルール化されていなかったことの方が、驚きではないか。

 金融商品の勧誘で言う「不招請勧誘」の禁止が、やっとルール化されるということだろうか。ルールの詳細がまだ公表されていないので、確言はできないが、商品先物業者のセールスのように「不招請勧誘(なのでお引き取りください)」が、生保のセールスを撃退する魔法の呪文になるかもしれない。

 また、保険の特徴やデメリットなど顧客が保険加入の可否を判断するのに必要な情報の提供もルール化するという。たとえば、複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店では、勧める商品をなぜ選んだかの根拠を説明しなければならないという。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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