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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

組織のニーズと個人のニーズを同時に満たす

上田惇生
【第103回】 2008年12月2日
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経営者の条件
ダイヤモンド社刊
1800円(税別)

 「現代社会の絆の強さは、知識労働者の心理的社会的欲求と社会の目標とを、いかに合致させるかにかかっている」(『経営者の条件』)

 通常、知識労働者は経済的な問題は抱えていない。雇用は安定し、かつ、その知識のゆえに転職の自由まである。しかし、彼らの欲求と価値観は、組織における仕事と知識を通して満足させられなければならない。

 知識労働者の多くは専門家として見られ、彼ら自身もそう思っている。

 しかし、彼らは雇われの身であり、命令を受ける身である。しかもそれぞれの専門分野に属しながら、その知識からくるところの権威を組織の目的に従属させなければならない。

 専門知識においては上司も部下もないが、組織には階層がある。

 知識労働者にとっては、最近はやりの言葉でいうところの自己疎外、倦怠、フラストレーション、諦観が問題である。

 成果に向けた自己啓発こそが、手にしうる唯一の答えだとドラッカーは言う。しかもそれが組織の目標と個人の欲求を合致させる唯一の方法だという。知識労働者は機会、達成、自己実現、価値を必要とする。自らを成果をあげる者にすることによってのみ、それらの満足を得ることができる。

 「成果をあげる能力によってのみ、現代社会は2つのニーズ、すなわち個人からの貢献を得るという組織のニーズと、自らの目的の達成のための道具として組織を使うという個人のニーズを同時にみたすことができる」(『経営者の条件』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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