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リアル経理学 ファイナンス部門の本来の仕事

「困った、どうしよう」の声はラブ・コール
危機や困難にあって価値を生み出すのがファイナンス
――佐藤雅弘 ダウ・ケミカル日本
取締役財務管理本部 日本・韓国地区本部長

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第11回】 2014年3月17日
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3ヵ月間の出張が、その後13年間もの海外勤務となった。その教訓を活かして、今でも部下には「海外出張の際は着替えを多めに持っていくように」とアドバイスしているという Photo by Kazutoshi Sumitomo

1897年創業の世界最大級の化学メーカー、ダウ・ケミカル。文字通り世界中で事業を展開し、ビジネススクールの教材として取り上げられる事も多いグローバルカンパニーだ。その日本法人でファイナンス部隊を束ねるのが佐藤雅弘・取締役財務管理本部長。銀行から転職して今にいたり、ダウの戦略中枢である農業科学・パッケージング・電子材料・水事業の重要拠点である日本・韓国地区の財務を統括している。そんな佐藤氏にとって、ファイナンスパーソンとして心がけていることはどのようなものなのだろうか。(編集・構成/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

サービスを提案・提供する側ではなく
実行し決断する側で仕事がしたかった

さとう・まさひろ
1989年ダウ・ケミカル入社。94年~96年ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(北米地区 ファイナンシャル リスク マネージャー)。96年~2001年ダウ・ケミカル・パシフィック・シンガポール・リミテッド(アジア・太平洋地区 ファイナンシャル リスク マネージャー)。01年~06年5月ダウ・ヨーロッパ・ゲー・エム・ベー・ハー(ヨーロッパ・中東・アフリカ地区 シニア ファイナンシャル リスク マネージャー)。06年6月ダウ・ケミカル日本(財務管理本部 日本・韓国地区本部長)。09年3月より現職。 Photo by K.S.

日置 佐藤さんは、ダウ・ケミカルに入社される前には銀行にいらしたんですね。そういう意味で、新卒で社会に出られてからずっとファイナンスパーソンとしてキャリアを積まれていますね。

佐藤 はい、銀行には5年いました。学生時代からファイナンスについては非常に興味を持っていました。ただ、その頃のファイナンスに対する理解というのは今から考えるとまだ浅いものだったとは思いますが……。銀行に入ったきっかけというのは、信用創造への興味と、まだ少し漠然としたファイナンスに対する理解をもっと深めながら実践していきたいという気持ちがあったからですね。

 銀行というと、財務や税務、為替、法務、国際業務などさまざまな業務検定があって、勉強をしました。ただ、そうやって知識を身につけていくうちに、銀行員という立場でこうした知識を実際の業務に活かせる機会は、いつ来るんだろう、という風に考え始めました。自分が行内で、どのくらいの権限を持って、実行できるんだろうか、と。

 そこで、だんだんと銀行というサービスやファイナンシャルリソースを顧客に提案・提供する側ではなくて、それらを使って自ら決断してビジネスを切り拓いていく側に行きたいという気持ちが強くなっていきました。

 そう考えているところに、ダウ・ケミカルの人事担当の方が私の出身大学の先輩だったんです。これはたまたまですね。縁というのはこういうものなのかなと思いました。講義のなかでも、ダウの財務戦略がよくケーススタディで登場しており、その頃から興味を持っていた企業でした。

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CFOをはじめとしたファイナンス部門の本来の仕事は何か。日本の経理部門の仕事というと、会社の数字を集めて社長にレポートする“裏方さん”というイメージがある。しかし、本来は数字を基にして経営陣や事業部門にリスクや改善点を指摘することなはずだ。これは、グローバル企業ではすでに常識である。グローバル市場へ勝負に出なくてはならない日本企業にとって、経理部門のグローバル化も、待ったなしの課題である。本来のCFOの役割や経理部門はどうあるべきか。日本に拠点を持つグローバル企業のCFOへのインタビューから、そのヒントをさぐる。

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