ゼネコン業界。
売上は上がったが、儲からない。理由は?

 現在、建設業界では東日本大震災からの復興需要やオリンピック特需などにより好況に沸いており、大手ゼネコンの売上高はこの数年、上昇を続けています。

 たとえば大林組の25年3月期の連結売上高は前年同期対比16.25%増の1兆4483億円となっており、大成建設でも前年同期比7.02%増の1兆4164億円となっています。

 こうした好調な受注の一方で、ゼネコン各社を悩ませているのが人件費の高騰です。大林組の25年3月期の単体ベースの労務費は前年同期比17.88%増の1024億円であり、大成建設でも同10.45%増の724億円となっています。

 また、これら大手ゼネコンでは外注費の金額も増加していますが、外注費の増加にも、下請け企業の人件費の高騰が影響している可能性があります。

 人件費や外注費が増加した結果、大手ゼネコンでは売上原価率が軒並み上昇しています。たとえば、大林組の25年3月期の単体ベースの売上原価率は前年同期対比1.68%増の93.29%、大成建設でも同1.41%増の93.63%であり、売上の増加を上回るペースで売上原価が増加しています。