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東芝案件で議論再燃も
繰り返される技術流出の現実

週刊ダイヤモンド編集部
2014年4月1日
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東芝が誇る半導体の先端技術が不正に持ち出され、競合他社がそれを使用したとされる技術流出問題。世間の関心を集める一大事件に発展したが、今日もグレーゾーンの領域で技術流出は続いている。

 3月13日、羽田空港はある人物を待つ報道陣でごった返していた。芸能人やスポーツ選手といった有名人を待っているわけではなかった。

 到着したお目当ての人物は、黒い上着を頭からかぶせられ、顔が見えない状態で報道陣の前に姿を現した。日本では異例となる“産業スパイ”の容疑で逮捕された、韓国半導体メーカー、SKハイニックスの元社員だったのだ。

 容疑の内容は、その男が米半導体メーカー、サンディスクの社員だった2008年にさかのぼる。東芝とサンディスクが共同開発している半導体、NAND型フラッシュメモリの技術に関する機密情報を不正に手に入れ、ハイニックスに持ち込んだというものだ。

 NANDは東芝の営業利益2900億円(今期予想)のうち、2100億円を稼ぎ出す半導体事業のコア製品だ。今回の逮捕を受けて東芝は、自社の機密情報を不正に取得、使用したとして、ハイニックスに対して損害賠償を求めて提訴した。

技術流出が起きた現場とされる東芝の四日市工場(左)。NAND型フラッシュメモリ(下)を量産する最先端の半導体製造工場だ
Photo by Takahisa Suzuki
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 かねて関心が高く、対策が必要といわれ続けてきた技術流出問題。12年に新日本製鐵(現・新日鐵住金)が自社の製造技術を不正に取得したとして、韓国鉄鋼メーカー、ポスコを提訴したときも大議論を巻き起こした。今度は東芝の稼ぎ頭で、世界トップ級の競争力を持つNANDの技術が海外へ流出した疑惑が浮上とあって、世間の関心は過熱。滞留していたマグマが一気に噴出したかたちだ。

 もっとも、現場は意外に冷静だ。東芝のある幹部は周囲の騒ぎに対し少し困惑気味に「技術流出によるNANDの競争力への影響は、限定的といっていい」と語る。

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