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週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記
【最終回】 2014年4月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
馬場未織

山崎亮×吉里裕也×馬場未織
これからの豊かな暮らし方について語ろう【後編】
『週末は田舎暮らし』刊行記念トークイベントより

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今こそ、これからの住む場所や暮らし方について考えよう。都市はもはや通過点に過ぎない時代だ。『週末は田舎暮らし』の著者・馬場未織さんと、コミュニティデザイナーの山崎亮さん、東京R不動産の吉里裕也さんが、これからの豊かな暮らし方について語り合ったトークイベントの後編。(2014/3/11代官山 蔦屋書店トークイベントより)

【※「前編」はこちらからお読みください】

里山暮らしは子育てと同じ!?
Iターンに慣れている女性が強い

吉里 僕は今回、馬場さんの『週末は田舎暮らし』を相当ちゃんと読んだんだけど、正直な感想としては、「よく頑張るなぁ」という気持ちが強いですよ。喜びや豊かさもすごくわかるけど、やっぱり二地域居住の脱落者としては、大変な部分に目がいきがちなんですよね。

山崎 脱落者としてはね(笑)。

馬場 そうかぁ。その辺をどうやって伝えればいいかというのは、かなり悩んだんですよね。これは本に書いてないんだけど、大変さと喜びという意味では、子育てと同じ感じなんですよ。子どもって、いるだけですごい手がかかるし、夜、出掛けられないし、お腹空いてない時でも食事つくらなきゃいけないし、つくった食事は「まずい」って食べないし、本当に腹が立つんですよ(笑)。

 でも、すっごくかわいくて、放棄できないんですよね。産んだら最後、ずっと育てていく。その育てる過程の苦労も振り返れば喜びになっていくもので、そういう時間の積み重ね方は、二地域居住の暮らしと似ているんじゃないかな。あくまで私の関わり方の実感ですけど。大変さばかりに意識を向けるより、やってみればわかる喜びみたいなものを伝えたいんですけどね。

山崎 すごい! これからの世の中は女性ですね。

馬場 なんだ、それは(笑)。

山崎亮(やまざき・りょう) studio-L代表。京都造形芸術大学教授。慶応義塾大学特別招聘教授。1973年愛知県生まれ。大阪府立大学大学院および東京大学大学院修了。博士(工学)。建築・ランドスケープ設計事務所を経て、2005年にstudio-Lを設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトが多い。著書に『コミュニティデザイン』など多数。

山崎 いや、事あるごとにそう思うんですよね。コミュニティデザイナーも絶対に女性が向いていますからね。いつも言うんですけど、僕よりうちのスタッフの女性たちのほうがずっとうまいんですよ。集落に行っても地元の人とすぐ馴染めるのは女性ですよ。以前、60歳くらいのあるお母さんから、「女性はみんな、Iターンだから」って言われたんですけど、確かにそうだと。みんな、Iターンじゃないかと。

馬場 確かにそうですよね。

山崎 子育てもそうだし、嫁に来るというのもそうだし、女性の方が適応能力があるんですよ。男どもは本当にダメで(笑)。僕らは22歳くらいまで「時間に追われない国」に住んでいて、そこから30年とか40年、「時間に追われる国」で過ごすんですが、定年後、「時間に追われない国」にまた戻ることになっても、戻れないみたいなんですね。

 「早くやってくれ」「次の予定は?」ってよく言うんですよ。男の人たちの大半は、追われる国での生活が忘れられないんで、看護師さんとかにも「10時じゃないか」「早くしてくれ。俺の検査のほうが、あの人より先だったじゃないか」とか言うんですよ。早く検査したって、その後やることはないんですよ(笑)。

 そういうことになっている時のおばちゃんたちは、ものすごいんです。「元気~?」みたいなことでつながって、他愛もない話をずっとしているんですよ。検査の時間も近くの人とすぐ友達になるから関係ないんです。この感覚って全員Iターンだし、逃れられないところで、きちんと折り合いをつけて生きている感じですよね。

 ワークショップでも、お父さんたちは「もう時間が過ぎてるじゃないか!」「いつまで待たせるんだ!」と怒り出す人がいるんです。でも、お母さんたちは「別に、ここは仕事の会議じゃないしね」って言っている。それって、どっちがその地域の中で生きていく時にエリートなのかといったら、完全に女性なんですよ。毎回、僕らは打ちのめされているんです。そういうことが生活する上で、必ず必要な力なんですよ。

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馬場未織 

 

1973年東京都生まれ。1996年日本女子大学卒業、1998年同大学大学院修了後、建築設計事務所勤務を経て建築ライターへ。プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約200往復する暮らしの中で、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、東京に野菜の美味しさを届ける「洗足カフェ」(目黒区)、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営などを手掛ける。

 


週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記

山崎亮氏推薦!「すごくアナログだけど、とても未来的な生活だ。」東京生まれ、会社勤め、共働き、子供3人。「田舎素人」の一家が、都会と里山の往復生活を通して、手さぐり体当たりで見つけたこれからの豊かで新しい暮らし方。土地探しから地域との関わり方、家庭菜園まで、等身大のデュアルライフ入門。

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