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領域を超える経営学
【第15回】 2014年4月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
琴坂将広 [立命館大学経営学部国際経営学科准教授]

第15回
理想を実現するために“いま”すべきことは何か?
不確実な未来に備える「シナリオ分析」の力

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ベンチャー企業の経営者として実務に携わり、マッキンゼー&カンパニーのコンサルタントとして経営を俯瞰し、オックスフォード大学で学問を修めた琴坂将広氏。『領域を超える経営学』(ダイヤモンド社)の出版を記念して、新進気鋭の経営学者が、身近な事例を交えながら、経営学のおもしろさと奥深さを伝える。全15回連載の最終回。

シナリオ分析で導く超長期の経営戦略

 今回で、『領域を超える経営学』(ダイヤモンド社)の発売をきっかけに始めた連載は最終回となります。まどろっこしい話におつき合いいただき、誠にありがとうございました。

 拙著『領域を超える経営学』について、内容に関する妥協は一切ありません。経営学という学問が積み上げてきた研究成果に厳密に、また物事を単純化せず、できるだけ複雑なままに、噛めば噛むほど味が出る書籍に仕上げようと苦心した作品です。

 そのため、本書は極めて論理的に構成されています。また、より深く国際経営という行為について考えてもらえる作品とするべく、欧米の最新の研究成果(200以上の論文と書籍)を解説に織り込みました。

 結果的に、とくに経験が豊かな経営幹部の方々や、国外でも活躍される国際経営の研究者の方々には、恐縮してしまうほど高い評価をいただきました。一方で、複雑なものをあえて複雑に表現したため、自己啓発書のようにシンプルさを重視した経営書を期待されていた方のなかには、「難解だ」「読みにくい」と感じられた方もいるようです。できるだけ門戸を広くして多くの方々に読んでいただきたいと考えていたため、これには申し訳ない思いです。

 さて、こうした反響の多くは、事前に想像できた部分も多くあります。しかし同時に、なかなか予想しにくかった部分もありました。

 このように、予測できる範囲と予測できない範囲があることは、国際的な経営環境を語るときと通じる部分があります。国際経営に関連する技術の進化や、世界経済の方向性を考えるときには、ほぼ間違いなく進行していく流れの存在を意識するとともに、予測のしにくい、突発的な可能性をも想定しなければならないのです。

 そこで本連載の最終回では、少しずつ日本でも定着しつつある、超長期の経営戦略を導く思考方法の「シナリオ分析」について、拙著の第22章の解説をもとにしながら、簡単に触れてみたいと思います。

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琴坂将広(ことさか・まさひろ) [立命館大学経営学部国際経営学科准教授]

慶應義塾大学環境情報学部卒業。在学時には、小売・ITの領域において3社を起業、4年間にわたり経営に携わる。 大学卒業後、2004年から、マッキンゼー・アンド・カンパニーの東京およびフランクフルト支社に在籍。北欧、西欧、中東、アジアの9ヵ国において新規事業、経営戦略策定のプロジェクトに関わる。ハイテク、消費財、食品、エネルギー、物流、官公庁など多様な事業領域における国際経営の知見を広め、世界60ヵ国・200都市以上を訪れた。
2008年に同社退職後、オックスフォード大学大学院経営学研究科に進学し、2009年に優等修士号(経営研究)を取得。大学の助手を務めると同時に、国際経営論の研究を進める。在籍中は、非常勤のコンサルティングに関わりながら、ヨットセーリングの大学代表選手に選出されるなど、研究・教育以外にも精力的に活動した。2013年に博士号(経営学)を取得し、同年に現職。専門は国際化戦略。
著書に『領域を超える経営学』、共編著に『マッキンゼー ITの本質』(以上、ダイヤモンド社)、分担著に『East Asian Capitalism』(オックスフォード大学出版局)などがある。
Twitter:@kotosaka


領域を超える経営学

ベンチャー企業の経営者として実務に携わり、マッキンゼー&カンパニーのコンサルタントとして経営を俯瞰し、オックスフォード大学で学問を修めた琴坂将広氏が、3つの異なる視点でグローバル経営の過去、現在、そして未来を語る。『領域を超える経営学』(ダイヤモンド社)の出版を記念して、新進気鋭の経営学者が、身近な事例を交えながら、経営学のおもしろさと奥深さを伝える。連載は全15回を予定。

「領域を超える経営学」

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