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鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

「東大生就職“新御三家”」から透ける安易さ
本当に大切な「就活インテリジェンス」を考える

鈴木寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]
【第7回】 2014年5月8日
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 躍進ぶりが目覚ましい
東大生の就職「新御三家」

 こんにちは鈴木寛です。

 ゴールデンウィークも終わり、これから正念場という就職活動中の学生もたくさんいることと思います。

 先日、今年の朝日新聞の内定者に、東大卒が初めてゼロだったことがネット上で話題になっていました。いま私は東大大学院と慶応SFCで教えているわけですが、両校の学生たちの就活動向が「時代」を反映しているものとして、世間では常々取り沙汰されます。

 以前、東大生が、かつては本流であったはずの国家公務員キャリアを敬遠し、優秀な人材が外資系に流れ始めたことが、グローバル化の象徴的な事例とされたこともありました。さらに最近では、それも「過去」のこととする報道もあります。

 『週刊東洋経済』(4月5日号)は「激減!! 東大生の就活」という特集で、東大生の就職御三家が、外資金融や総合商社などから一変。DeNA、グリー、サイバーエージェントが「新御三家」になっていると報じて、話題になっていました。

 「新御三家」の躍進ぶりは目覚ましいものがあります。

 サイバーエージェントは、ブログサービスからベンチャーキャピタル、ソーシャルゲームなど多角展開。優秀な人は20代でも子会社の社長に抜擢します。

 グリーには、私の教え子たちが中枢に何人もおり、田中良和社長を支えてきました。私が、文部科学副大臣の際には、ネット熟議の導入にあたり、田中社長には、文部科学省の委員もお願いしました。ソーシャルゲームのブームが一段落した近年こそ売上高、利益ともに落ち込み、人員削減を断行したものの、5年で5倍超の成長を遂げたことは特筆に値します。

 一方、ライバルのDeNAも創業から10年余りでプロ野球に参入。記事によると、今年の新卒入社98人のうち、東大は最多の28人といいますから、名実ともに「一流企業」に肩を並べた格好です。

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鈴木 寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]

すずき・かん/元文部科学副大臣、参議院議員。1964年生まれ。東京大学法学部卒業後、86年通産省入省。2001年参議院議員初当選(東京都)。民主党政権では文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化を中心に活動。党憲法調査会事務局長、参議院憲法審査会幹事などを歴任。13年7月の参院選で落選。同年11月、民主党離党。14年から国立・私立大の正規教員を兼任するクロス・アポイントメント第1号として東京大学、慶応義塾大学の教授に就任。同年、日本サッカー協会理事。15年2月から文部科学大臣補佐官として大学入試改革などを担当している。


鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

インテリジェンスとは「国家安全保障にとって重要な、ある種のインフォメーションから、要求、収集、分析というプロセスを経て生産され、政策決定者に提供されるプロダクト」と定義されています。いまの日本社会を漫然と過ごしていると、マスメディアから流される情報の濁流に流されていってしまいます。本連載では既存のマスメディアが流す論点とは違う、鈴木寛氏独自の視点で考察された情報をお届けします。

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