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被災地に実る絶望の中のチャンス
【第1回】 2014年5月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
岩佐大輝

【前編】被災から3年経った今だから見えてきたこと
真山仁×岩佐大輝 対談

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東北を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から3年。遅々として進まない復興や風化を危惧する声も出てきていますが、そんな被災地に対して特別な思いを抱いている二人がいます。「ハゲタカ」シリーズ著者であり、被災地の小学校を舞台にした小説『そして、星の輝く夜がくる』(講談社)を刊行したばかりの作家・真山仁さんと、被災地で一から高級イチゴビジネスを成功させ、その奮闘を記した著書『99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る』(ダイヤモンド社)を出版した岩佐大輝さんです。自身も阪神・淡路大震災で被災し震災後の東北を精力的に取材する真山さんとIT企業社長として東京で成功しながら故郷で農業という未経験のビジネスに取り組んだ岩佐さんは、被災地で実感した課題をどう未来に伝えていこうとしているのか。クリエイターと読者をつなぐサイト「cakes」とのコラボ企画である白熱対談を3回に分けてお届けします。(構成:宮崎智之)

被災地で活動を続ける唯一のコツ

真山仁(以下、真山) 岩佐さんのご著書『99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る』をとても興味深く拝読しました。

岩佐大輝(以下、岩佐) ありがとうございます。

真山 仁(まやま・じん)
小説家。1962年大阪府生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、2004年『ハゲタカ』でデビュー。2007年に『ハゲタカ』『ハゲタカⅡ』を原作とするNHK土曜ドラマが放映され話題になる。地熱発電をテーマにした『マグマ』は2012年にWOWOWでドラマ化された。 最新作は『そして、星の輝く夜がくる』(2014年3月7日刊、講談社)。その他の著書に、日本の食と農業に斬り込んだ『黙示』、中国での原発建設を描いた『ベイジン』、短篇集『プライド』、3.11後の政治を舞台にした『コラプティオ』、「ハゲタカ」シリーズ第4弾となる『グリード』などがある。公式サイト http://www.mayamajin.jp/

真山 私が岩佐さんに対してまずうかがいたいのは、あの震災の後、ぼろぼろになった故郷を見て、逃げ出したいとは思わなかったのだろうかということです。岩佐さんのような人ってたくさんいるじゃないですか。つまり、東北生まれで東京に出て行って成功を収めた人たち。もちろん、岩佐さんのように社長にまでなった人ばかりではないと思いますけど、多くの方々が、震災が起きた後、一度は故郷に帰ってきていました。

岩佐 そうですね。

真山 でも、現地にとどまって故郷をなんとかしようと思った人は少なかった。岩佐さんも、東京に仕事と生活の基盤があるのだから、宮城県に住む親戚を東京に呼ぶという選択肢もあったと思います。どうして、岩佐さんは踏みとどまれたんでしょうか?

岩佐 僕が故郷の山元町に帰ってはじめに思ったのは、今回の災害は、もはや自分たちで無理に立て直すレベルのものではないのかもしれないということです。一度壊れて、また新しい人たちが集まって街をつくっていく。そういう歴史の大きな潮流に立ち会っているのかもしれないと。

真山 なるほど、最初は積極的に復興に取り組むつもりはなかったと。

岩佐 でもしばらく暮らしていると、まだまだ発掘できるビジネスのポテンシャルが山元町には残されていることがわかってきた。僕はずっと経営者をしてきたので、役に立てることがあるとすれば、会社を興して、雇用して、お金を稼いでいくことだけです。それで故郷に貢献できるなら、残ってみる価値があると思ったんです。

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岩佐大輝 

 

いわさ・ひろき。1977年、宮城県山元町生まれ。日本、インドで6つの法人のトップを務める経営者。高校卒業後に上京。パチプロになる。その後、フリーのプログラマーになり、競馬ソフトなどを開発。大学在学中の2002年にITコンサルティングを主業とする株式会社ズノウを設立。東日本大震災後は、特定非営利活動法人GRAおよび農業生産法人GRAを設立。先端施設園芸を軸とした「東北の再創造」をライフワークとするようになる。故郷のイチゴビジネスに構造変革を起こし、地域をブランド化。大手百貨店で、ひと粒1000円で売れる「ミガキイチゴ」を生み出す。2012年、グロービス経営大学院でMBAを取得。2014年「ジャパンベンチャーアワード」(経済産業省主催)で「東日本大震災復興賞」を受賞する。同年3月、初の書籍『99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る』発行。公式サイト:http://www.iwasa-hiroki.com/

 


被災地に実る絶望の中のチャンス

被災地の小学校を舞台にした小説『そして、星の輝く夜がくる』(講談社)を刊行したばかりの作家・真山仁さんと、被災地で一から高級イチゴビジネスを成功させ、その奮闘を記した著書『99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る』(ダイヤモンド社)を出版した岩佐大輝さんが、被災地で実感した課題をいかに未来に伝えていくかを語り合います。

「被災地に実る絶望の中のチャンス」

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