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永田公彦 パリ発・ニッポンに一言!

長時間労働の一因は“目的”より“やり方”へのこだわり
――女性が疲れる社会ニッポンへの警鐘【後編】

永田公彦 [Nagata Global Partners代表パートナー、北九州市立大学特任教授]
【第12回・後編】 2014年5月13日
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 日本人独特の文化価値観が労働偏重につながって生み出した「国民総残業社会」。今日、そのしわ寄せが、特に女性に重くのしかかっています。前編に引き続き、ドイツ人のAさんとインド人のBさん2人の対話を通じて、日本が真に“女性が輝く社会”になるための道筋を探っていきます。

HOW(やり方)にこだわる
文化価値観が長時間労働につながる

Aさん「日本人の長時間労働の原因の1つに、HOW(やり方)に固執する文化価値観もあると思う」

Bさん「そういえば、日本人に仕事をお願いした時、彼らは、“WHY――なぜ、何のためにやるのか?”よりも、“HOW――どうやるのか?”をえらく気にしていたよ。どの様式にどう書いて誰にどうやってて提出したらいいのか、と何回も聞いてきた」

Aさん「逆に、日本人が人に何かをお願いする時は、WHYがなくてHOWだけ説明がある場合が多い」

Bさん「そこで頼んできた相手に、WHY?と聞くと、答えが返ってこないか、曖昧だったりするんだよね」

Aさん「それはたぶん、その人自身も知らないか、考えたこともないからだろうね」

Bさん「もしかしたら……上司からWHYの説明なしにこれを頼まれた。その上司も、そのまた上司からWHYの説明なしに頼まれた……つまり指示の流れの中で、誰もWHYを深く考えずに、HOWだけがくっついてきた可能性もあるね」

Aさん「いずれにせよ、日本人は、HOW(やり方)と、前述した組織のルール、しかも細かいものを必要とする。そして、それに従おうとする」

Bさん「だから日本の組織では、細かい業務マニュアルが多くなり、それを作ったり改訂したりするのに莫大な労力、時間、コストがかかるんだね」

Aさん「それで全体の業務効率が良くなればいいが、問題は、マニュアルが劣化していることだよ。世の中の激変に対応しきれていない。時代錯誤のやり方が残っていたり、業務の現実に即した新しいやり方が加わっていないことがある」

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永田公彦 [Nagata Global Partners代表パートナー、北九州市立大学特任教授]

フランスを拠点に、フォーチュン・グローバル500企業をはじめ数多くの欧州企業(一部アジア系企業)に対し、国際経営・事業・組織コンサルティングをおこなう。特に、「アジア・欧州・アフリカ市場への事業進出と拡大」「海外子会社の変革マネジメント」「人と組織のグローバル化」の3領域における戦略構築から実行支援が専門。日本経済新聞レギュラーコラムニスト(ネット版07-10年)、講演・出稿記事多数、リヨン第一大学客員講師(98‐00年)。1960年生まれ。西南学院大学(文学部)卒業後、82年JTBに入社、本社及び海外事業部門のマネジャーを経て、96年フランスに拠点を移す。MBA(EMリヨン)を取得後、リヨン商工会議所(アジア担当マネジャー)、仏系中堅医療機器メーカー(COO~企業再生ミッション)、欧州系調査コンサルティング会社を経て2003年より現職。
オフィシャルサイト:http://www.kimihikonagata.com


永田公彦 パリ発・ニッポンに一言!

「グローバル社会で起きる諸問題や変革のうねりに対し、日本人、日本人社会、日本企業や日本の政治はどうあるべきか」…国際派コンサルタントとして、日本の外から世界各地と日本を大局的に見つめる筆者が提言します。

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