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出口治明の提言:日本の優先順位

不安・不満が多く先進国の中では最低水準
大人たちは「若者の意識調査」を他山の石とせよ

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第119回】 2014年6月10日
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 政府は、3日の閣議で、2013年度の「子ども・若者白書」を採択したが、この中で「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」が取り上げられている。興味深い内容なので、少し紹介してみたい。

我が国の若者は、
自分自身に満足していない

 まず日本の若者はどのような「自己認識」を持っているのだろうか。主な項目を抜き出してみると、概ね次表の通りである。

(出所:「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」より筆者作成、単位%、以下同様)

 特徴的なことは、まず第一に、自分自身に満足していない若者が圧倒的に多いことである。平均すると他の先進国に比べ30ポイント以上の差がある。同様に、グローバル社会では最も必要な「自分の考えをはっきり相手に伝えることができる」能力も大きく劣後している。またチャレンジ精神(うまくいくかわからないことにも意欲的に取り組む)も、際立って低い。

 次に、「自分についての誇り」についてチェックしてみると、「体力、運動能力」にそれなりの自信を持っている若者の割合がわずか36.3%しかない。社会人の基本は何といっても体力なので、これは由々しきことであると考える。また、一般に若者の特徴の1つは強い正義感にあると言われているが、我が国の若者は57.5%。これに対してアメリカ、ドイツ、フランス、スウェーデンはいずれも軽く90%を超えている(英国も89.9%)。これも大変気になるところではある。さらに「決断力、意志力」も43.3%と欧米先進国の半分程度の水準にとどまっている。

 我が国の若者は、どのような時に充実感を覚えるのだろうか。「仕事に打ち込んでいるとき」も「勉強に打ち込んでいるとき」も先進国の中では最低水準である。唯一「趣味に打ち込んでいるとき」に充実感を覚える割合は87.6%と他の先進国と肩を並べている。ちなみに、ここに抜き出した自己認識に関わる主要11項目の中で、先進7ヵ国中最低でないのはこの項目だけである。もちろん、それぞれのお国柄によって、若者の自己認識のレベル(厳しいか、甘いか)が異なっているかもしれないので、この表を鵜呑みにはできないが、少なくとも決して楽観できる状況にはないことが見てとれよう。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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