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海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線

外資入り乱れ激戦のミャンマー飲食・ホテル業界
カギはサービスの質と価格をどこに定めるか

杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]
【第20回】 2014年6月12日
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新規出店が相次ぐ
ヤンゴン日系飲食店

 ヤンゴンで最近、日系飲食店の進出が加速している。今年4月には、東京首都圏で居酒屋「てけてけ」を展開するユナイテッド&コレクティブがミャンマー1号店をオープン。また同じころ、フレッシュネスバーガーもミャンマー1号店のオープンを準備中だ。フレッシュネスバーガーは、初の世界進出の地として、ミャンマーを選んでいる。

 ヤンゴン在住日本人の数はまだそれほど多くないにも関わらず、現在確認できるだけでも、日系飲食店は50近くを数える。しかもその多くは、この1〜2年の間に開店したころばかりだ。滞在日本人数当たりの日系飲食店数でみると、世界有数の激戦区が出現しているのだ。

 それがミャンマーだろうとどこだろうと、接客業の基本は従業員教育だ。せっかくきれいな内装や、高価な食材を提供していても、接客態度が一定レベルに達していなければ、その店の評価は大きなマイナスになってしまう。

 実際、ヤンゴンにある高級レストランでも、食べている途中の皿が下げられたり、会計を頼んだのに店員が戻ってこなかったり、頼んだものとは違うものが出てきたりというのは、日常的なシーンの一コマだ。

 日本式の細やかな顧客対応が存在しないミャンマーで、しっかりとした接客教育を行うには、どのような方法があるのだろうか。従業員教育において、課題としてぶち当たるのはどういったことなのか。

上原氏の経営するホテル Photo:(株)アジア戦略アドバイザリー

 今回は、ミャンマーで4年前からカフェバー Kosan Cafeを2店舗運営している中村亮氏、日本でIT関連企業を経て、ミャンマーでホテル・飲食店事業を始めた上原廉裕氏に、ミャンマーにおける飲食店経営における難しさと、その対応方法について話を聞いた。

従業員のモラルは最悪!?
「気を抜いたらすぐにやられます」

Kosan cafeの1号店 Photo:(株)アジア戦略アドバイザリー

 東南アジアで飲食業に従事している方と話をしていると、従業員のモラルが低いとの声はよく聞かれる。時間通りに店に出勤しない、現金をくすねるといったことは珍しいことではなく、そういった基礎的なところから日本人経営者は対応しないといけない。はたしてヤンゴンではどうだろうか。中村氏は言う。

 「最悪ですね。たぶん他の国より相当レベル低いと思います。気を抜いたらすぐに現金を盗られます。

Kosan Cafeの2号店 Photo:(株)アジア戦略アドバイザリー

だから日本人が経営しているお店でしたら、ほとんど店で入出金管理は日本人がやっていると思います。でも、うちは現地従業員に任せていますよ。ただし、定期的にチェックは行っています」

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杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]

すぎた こういち/カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学及び生物学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程卒。15年間にわたり複数の外資系投資銀行にて、海外進出戦略立案サポートや、M&Aアドバイザリーをはじめとするコーポレートファイナンス業務に携わる。2000年から2009年まで、UBS証券会社投資銀行本部M&Aアドバイザリーチームに在籍し、数多くのM&A案件においてアドバイザーを務める。また、2009年から2012年まで、米系投資銀行のフーリハン・ローキーにて、在日副代表を務める傍ら東南アジアにおけるM&Aアドバイザリー業務に従事。2012年に、東南アジアでのM&Aアドバイザリー及び業界調査を主要業務とする株式会社アジア戦略アドバイザリーを創業。よりリスク度の高い東南アジア案件において、質の高いアドバイザリーサービスの提供を目指してASEAN各国での案件を遂行中。特に、現地の主要財閥との直接の関係を生かし、日系企業と現地企業間の資本・業務提携をサポートしている。ミャンマーにおいては、大手事業会社、総合商社、金融機関等の進出戦略立案及びその実行サポートに携わる一方で、2012年よりダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)にて、3年間にわたり人気コラム『ミャンマー その投資ブームは本物か』『海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線』を連載。


海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線

民主化へ舵を切り、欧米の経済制裁が解除されたことで、世界中の企業の耳目が集まるミャンマー市場。具体的な民主化政策の実行からわずか1年で、会社法や外国投資法など進出する企業にとって重要な法律が施行され、市場として環境が整い始めた。本連載では、企業進出の現場から何が具体的な問題点なのか、またそれを乗り越えるようどのような努力が現在なされているのかについて見ていきたい。「ミャンマー その投資ブームは本物か」に続く、連載第2弾。綿密な現地取材をもとに、ミャンマービジネスの最前線を追う。

「海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線」

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