旬を楽しみ、身体が喜ぶ 江戸料理
【第73回】 2014年6月13日 車 浮代

豊臣秀吉大出世の一助を担い、
徳川家康の最後の晩餐に供された「蒜《にんにく》」

 古代、薬用植物として日本に伝来した蒜(または大蒜)には、たくさんのエピソードがあります。

 我が国最古の歴史書である『古事記』には、「日本武尊《やまとたけるのみこと》が東国を平定した帰り、白鹿に化けた坂の神を食べかけの蒜で撃ち殺して山を越えた」ことが書かれています。

にんにく梅干し漬け
【材料】にんにく…1玉/梅干し…2個/鰹節削り…1/2パック/胡桃…小さじ2
【作り方】 ①梅干しは種を取って叩く。胡桃も庖丁で叩いて細かく砕き、鰹節削りと混ぜ合わせる。②にんにくの皮を剥き、1/2~1/4に切り、1と和えて保存容器に入れ、冷蔵庫で保存する。

 まるでヴァンパイア対策のようですが、蒜にはこのように、精をつけるだけでなく、神気をはねのけるパワーがあると信じられていました。

 日本最古の和歌集、『万葉集』第十六巻にはなんと、美味しい蒜の食べ方が歌に詠まれています。

「醤酢《ひしおす》に 蒜《ひる》搗《つ》きかてて 鯛願ふ 我れにな見えそ、水葱《なぎ》の羹《あつもの》」
※平安時代まで、蒜は「ひる」と呼ばれていました

 

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旬を楽しみ、身体が喜ぶ 江戸料理

栄養価の高い旬の食材を、あまり手を加えずにいただく――。これが江戸料理の醍醐味であり、健康長寿につながる正しい食のあり方だと思います。このコラムでは、江戸料理と健康をテーマに、食材ごとの情報とレシピをご紹介していきます。

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