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石川和男の霞が関政策総研

「パブリックコメント」は単なるガス抜きか?
消費者保護なければガスシステム“改悪”だ

石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]
【第22回】 2014年6月16日
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パブコメは提出しても
参考資料にすらならない?

 政府が進めている“ガスシステム改革”に関する問題点と処方箋については、このダイヤモンド・オンラインで、これまで二度寄稿してきた(2013年12月2日付け拙稿2014年3月10日付け拙稿)。

 ガスシステム改革は、経済産業省・総合資源エネルギー調査会に設置されているガスシステム改革小委員会で検討が進められている。私は、この制度変更については、消費者利益保護の観点からも非常に大きな危惧を抱いている。そこで、いわゆる「パブリックコメント」(以下「パブコメ」と略す)を4月28日と6月2日の二度、それぞれ審議の進捗に合わせた内容で提出してみた。

 パブコメの具体的内容は後述するとして、提出したパブコメの扱いは実際どうであったかを紹介する。4月28日付けで提出した意見は、案の定、同小委員会のなかで大きく取り上げられたわけでもなく、5月29日に開催された第9回ガスシステム改革委員会で参考資料として配布されただけであった(→「参考資料1の御意見①(平成26年4月28日)」)。6月2日付けで提出した意見も、同様の扱いになると思われる。

 このパブコメを主宰したエネ庁事務当局の方針は公募要件に書かれており、具体的には「いただいた御意見は、委員会にも随時、報告を行い、議論の参考にさせていただきます。ただし、いただいた御意見について、個々に回答はいたしかねますので、御了承願います」とある。だから、実際にパブコメを提出したとしても、その扱いは単なる参考資料程度にすらならないかもしれないとは思っていた。

パブコメの扱い方は出す方
出される双方で見直しが必要

 そして今般、実際にパブコメを提出し、その扱いを体験してみると、まさしくその通りであった。しかし、このような扱われ方について、エネ庁事務当局を批判することには些か躊躇してしまう。審議会を主宰する政府事務当局の実務的なことを考えると、パブコメの全てを審議会で取り上げたり、それらを逐一議論の参考にしたり、まして答申・報告書に反映させることなどというのは到底、無理な話だ。

 審議会では出なかった意見を、パブコメを利用して誰かに提出させる人が事務当局にいれば話は別だが、普通は、事務当局にとってパブコメは面倒くさいものでしかない。

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石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]

1989年3月東京大学工学部卒業。同年4月通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁、生活産業局、環境立地局、産業政策局、中小企業庁、商務情報政策局、大臣官房等を歴任。2007年3月経済産業省退官。08年4月東京女子医科大学特任教授(~10年3月)。09年1月政策研究大学院大学客員教授。09年4月東京財団上席研究員。11年9月NPO法人社会保障経済研究所代表。ツイッター:@kazuo_ishikawa ニコ生公式チャンネル『霞が関政策総研』、ブログ『霞が関政策総研ブログ』


石川和男の霞が関政策総研

経済産業省の元官僚として政策立案の現場に実際に関わってきた経験と知識を基に、社会保障、エネルギー、公的金融、行政改革、リテール金融など、日本が抱えるさまざまな政策課題について、独自の視点で提言を行なっていく。

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