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今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

【ブラームス
「ピアノ・ソナタ第1番ハ長調 作品1」】
若き日の旅が、人生の真実を見出す

~ブラームスの音楽武者修行【前編】

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第89回】 2014年7月11日
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 古来、人は旅をしてきました。

 現存する最古の旅行記「ギルガメッシュ叙事詩」は永遠の生を希求する物語です。以来、紀貫之もマルコ・ポーロも旅の中に人生の真実の片鱗を見出してきました。

 旅は、その本質において、日常からの離脱です。それ故、自分の弱さや狡さに直面したり、それまで気がつかなかった自分の隠れた資質の発露に驚くかもしれません。また、旅によって何かが突然変わるとは限りませんが、若き日の旅が、その後の人生を決定してしまうこともあるのです。

 と、いうわけで、今週の音盤はヨハネス・ブラームス「ピアノ・ソナタ第1番ニ短調・作品15」です(写真は、夭折の天才、ジュリアス・カチェン盤)。

貧しく無名の日々

 ヨハネス・ブラームスは、音楽の授業で学習する時は“ドイツ三大B”といって、バッハ、ベートーヴェン、ブラームスの系譜でかたられ、三人ともいかにもドイツ風のいかめしい顔をしています。特にブラームスは、広い額に薄くなった頭髪と立派な髭。大御所という風貌で大そう偉い人という印象を与えます。

 でも、そのイメージは、ブラームスが齢を重ね功成り名を遂げてから出来上がったものです。生れ落ちた境遇は大層貧しく、大変な家庭環境で育ったのです。

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小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

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