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今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

【メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調・作品64」】
感情の抑揚が音に滲み音楽の不思議を感じさせる

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第72回】 2013年11月14日
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 11月の声を聞けば、地球温暖化の影響で暖冬も珍しくなくなったとは言え、やはり日に日に肌寒さが強まって来る今日この頃です。

 『冬は来ぬたとえば遠き旅人の故郷に来て眠るごとくに』

 これは石川啄木が百年以上前に詠んだ短歌です(「申歳」第10号・明治41年11月8日刊)。

 で、冬の到来は、天才歌人でなくとも、誰にでも微妙にメランコリックな感慨をもたらすものです。だって、人間は自然の中で生きていますから、四季の変化が心のあり様に陰に陽に影響を与えているのです。

 そんな時は、哀愁の旋律に酔いしれるのも悪くありません。

 と、いうわけで、今週の音盤はメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調・作品64」です(写真はヴァイオリン独奏がヤシャ・ハイフェッツ、シャルル・ミュンシュ指揮、ボストン交響楽団)。

三大ヴァイオリン協奏曲??

 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲と言えば、古今東西のヴァイオリン協奏曲の中でも屈指の作品です。

 世に、三大ヴァイオリン協奏曲という言い方があります。ベートーヴェン、ブラームス、そしてメンデルスゾーンということになっています。

 が、率直に言って、聖ヴァレンタインデイのチョコレート業界の販売戦略に似たものを感じます。聖ヴァレンタインデイに愛を示す贈り物はチョコレート以外にも沢山ありそうです。同様に、ヴァイオリン協奏曲もバッハ、ヴィヴァルディ、モーツァルト、パガニーニ、シューマン、チャイコフスキー、シベリウス、バルトーク等々が書いた綺羅星の如き名曲が沢山あります。誰がどんな基準で三大ヴァイオリン協奏曲なる選定をしたのか知る由もありません。それに、三大ヴァイオリン協奏曲の一つ云々という言い方は、メンデルスゾーンのこの名曲の本質を衝いている訳でもありません。

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小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


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ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

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